なみえの今

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防災コミュニティセンターについて②浪江地区

2022年5月2日

こんにちは、地域づくり支援専門員の吉田です。

今回は、「浪江防災コミュニティセンター」についてお伝えします。

4月3日(日)に、町内3カ所に完成した「浪江・幾世橋・苅野」の合同落成式が行われました。

吉田町長はじめ、行政区長など関係者が参加し、内覧会も行われました。

町長の挨拶の中では「町民の方にコミュニティの場として是非使ってほしい」「消防団の屯所設置や、災害時の避難場所が町内に増えることで日々の安心につながるといい」などのお話がありました。

(配管設備の面で)浪江地区のみ設置してある「防災タンク」は、循環してタンクに水が溜まる様になっており、必要となれば、他3カ所の防災コミュニティセンターへは車で輸送し供給するそうです。 

▲施設内掲示のハザードマップ

町内にある防災コミュニティセンターは、災害(①地震②津波③風水④土砂)の際、緊急避難場所・避難所になっているため、浸水被害を逃れると想定される元小中学校跡地にあります。(大堀地区のみ浸水のおそれがあり学校跡地から変更。)

近隣住民の方の声では、「今まで最寄りだった避難所より今度は近くなるのは安心」「サークルなどコミュニティに参加したい人が喜ぶと思う」などのお話も聞こえてきました。

▲正面側 4/16撮影

4月中旬見学会の時は、残念ながら桜は散る季節でしたが、とても立派な桜の木が施設前にあります。

来年はお花見での利用も良さそうですね。

町民の方同士、帰省の時など・・・浪江町役場・防災安全係にお申し込みの上、お気軽にご利用なさって下さい。

↓申込み方法

防災コミュニティーセンターの使用方法 | 浪江町ホームページ (town.namie.fukushima.jp)

幾世橋・苅野の防災コミュニティセンターについても、引き続きブログで取り上げていきたいと思います。

高瀬川渓谷 『春』

2022年4月24日

こんにちは、地域づくり支援専門員の引地です。

過ごしやすい気候が続き、美しい景色を眺めたい季節になりました。

皆さん、浪江の美しい景色といえば、どこを思い浮かべますか?

今回は、きっと多くの方が「ここ!」と思い浮かべるであろう、高瀬川渓谷の今をお伝えします。


いつも町民の皆さんから「紅葉の時季は本当にすごい景色よ」と聞いていた高瀬川渓谷。

実は、紅葉に負けないくらい若葉の時季が素晴らしいとの声もお聞きしました。

高瀬川渓谷の多くが帰還困難区域となっており、かつ、現在災害工事の復旧作業中です。

今回は一次立入許可を申請し、 工事が休みのタイミングを狙い通行。

畑川行政区の齊藤区長にご案内いただきながら、 大堀~小丸~三程まで行ってきました。

(先月と昨年の地震の影響で、少し注意しないといけない箇所もあり、区長に教えていただきながら安全に動きました。また、土砂崩れのため、葛尾までは通り抜けできません)


初めて見る春の高瀬川渓谷。若葉が芽吹き、岩肌にはボケの花が咲いています。

そして、流れる川の音が心地よく、いつまでも川を眺めていたい気持ちになります。

では、川の音も想像しながら新緑の高瀬川渓谷をご覧ください。

まずは大堀から入ってきます。


渓谷に入ります。川の流れだけではなく、松が空に伸びている姿がかっこいいですね。

皆さんからよく「ボケの花がキレイなんだよ」と教えていただく、岩肌とボケの花のコラボレーションを発見!

何枚も撮ったのですが、写真ではハッキリとしたピンクをお伝えするのが難しいです。茶色と緑に映えるピンク、伝わるでしょうか。


若葉と青空は抜群のコントラストです。

川側ばかりを見ていましたが、逆側も見逃してはいけません。きれいな新緑が揃っています。



戸神山の手前まで進んでいき、安心橋を渡ってみると、先に滝が見えました。


いかがでしたか。

町民に愛されるこの高瀬川渓谷の落合浪江線ですが、東日本大震災の発災時は多くの箇所でがけ崩れがおきたそうです。

公的な復旧を待っても時間がかかるため、小丸と畑川の住民の皆さんが力を合わせ岩を撤去し、自分たちの手で応急処置をし、通行できるようにしたそうです。

落合浪江線は、地域の大切な生活道路。地域の皆さんが川や木々の様子を長い間見続け、手入れをし、守ってきた歴史があるのだなと感じました。

だからこそ、多くの方が「あの紅葉をみたいな」と言うすばらしい景色になり、町の誇りの高瀬川渓谷が続いてきたのだと思います。

早く、たくさんの方にこの景色を楽しんでいただける日が来るように願っています。

高瀬川渓谷『春』編、ここまでにしたいと思います。次回『夏』編をお楽しみに。

町内の住宅団地 春の動き その②

2022年4月18日

こんにちは、地域づくり支援専門員の引地です。

町内の住宅団地の動きについて、第2弾の今回は幾世橋住宅団地の様子をお伝えします。

2017年夏に入居が開始された幾世橋住宅団地では、2020年4月に自治会が発足されました。

名称は来福寺という地域名にちなんで『らいふく自治会』です。

2年前の2020年春には設立総会を準備していましたが、いよいよ開催!という直前に全国的にコロナが拡大。

残念ながら、書面での設立となりました。

その後の2年間はコロナ影響が続き、なかなか住民皆さんでのイベントや集まりごとができずにいましたが、この春、ようやく対面での定期総会を開催することができたのです。

4月9日に開催された定期総会では、初めて顔を合わせる方や、集会所にも初めて入ったという方もいらっしゃいました。

そんな中、同じ班でも初めて会ったというお二人を、その班の班長さんが隣同士の席に案内していました。そして会の後半には、会話が弾むお二人の様子をみることができたことがとても印象的でした。班長さんの計らい、とてもステキですね。


そして、設立からコロナ禍で手探りの2年間を活動された、初代の役員班長の方々も改選となりました。

住民皆さんでのイベントが思うようにできなかった期間、役員班長さんは定期的に集まり、団地内の課題解決に動いておりました。

・違反ゴミや不法投棄対策

・敷地内の街灯調査、町への追加要望(追加設置が実現しました)

・危険箇所を調査、町へカーブミラーの追加要望(追加設置が実現しました)

・消防署へ協力依頼し、消火訓練

・集会所のルール見直し

安全で暮らしやすい環境をつくるという土台を創られた初代の役員班長の皆さん、お疲れ様でした。

▲2021年10月 昨年度、唯一全体周知での開催をした消火訓練

今年度こそコロナが落ち着き、皆さんで集まる機会が増えてくるといいなと願っています。

らいふく自治会の更なる発展が楽しみです。

町内の住宅団地 春の動き その①

2022年4月18日

こんにちは、地域づくり支援専門員の引地です。

浪江の桜も散り、いよいよ新緑の季節が始まります。

地域での集まり事が多い春ですが、今回は町内2つの住宅団地での自治会の動きを2回に分けて紹介します。

まずは請戸住宅団地です。

2020年10月に災害公営住宅として完成入居開始後、1年半。

この春、新しく自治会が発足しました。

当事業では自治組織の設立支援として、住民同士が気軽に顔を合わせる機会や意見交換会の場づくりを続けてきました。

▲2020年10月 防災の集い AEDと心肺蘇生体験
▲2021年7月 自治会設立を考える意見交換会


何度か集まりを設けることにより自治会設立への機運も高まり、2021年夏には設立準備会が発足。

その後準備会のメンバーによって、規約や活動計画などを創り上げてきました。

コロナの影響で足踏みの時期もありましたが、書面ではなく顔を合わせての設立総会を開催したいとの希望があり、感染状況が落ち着くタイミングを待っていました。

そして4月3日、無事に対面での設立総会を開催することができたのです。(本来はお弁当でも食べながら歓談の時間を多くとりたいところでしたが、今回は断念しました)


会長に就任された舛倉さんは、「顔の見える関係を築きたい。日常の生活ではもちろん、非常時には近隣の工業団地の方とも連携できるようにしたい。」とお話されていました。


この請戸住宅団地、集会所のテラスから海が観えるのです。

以前より住民から「集会所で歌を歌いたい」「バーベキューもしたいね」という声があがっていました。

そして、決定した自治会の名称は

『海の観える丘自治会』

このテラスで、歌声が響く日が近いのではないでしょうか。

発足、おめでとうございます!

▲2022年4月3日

令和4年4月、請戸

2022年4月8日

こんにちは、支援員の今野です。

昨年8月以来となります、請戸地区の全体的なレポートです。

最近、請戸地区を回っていて変化の大きさを感じるのは復興祈念公園の整備のための土盛り工事です。あちこちに、土や砂利などが盛られているのがわかります。

▲見晴台より双葉町方面
▲見晴台より請戸小学校方面
▲復興祈念公園の整備イメージ(施設配置計画より)


請戸漁港も新しい施設が定着してきた感じを個人的には受けています。請戸から水揚げされる新鮮な魚介類「常磐もの」が、もっと盛り上がってほしいなと思います。


請戸地区の水産加工団地には、目立つ新しい建物が二つあります。

浪江町の歴史ある柴栄水産の新工場と直売所が一昨年4月より、相馬市に本社があるサンエイ食品の工場が昨年5月から、それぞれ操業を始めています。請戸の新鮮な海産物がここで商品になっていくんだなぁと、嬉しく思いますね。


先月3月11日に完成式をおこなったのが請戸地区共同墓地跡に整備された「先人の丘」です。

▲完成式後に町長ら関係者で記念撮影


海岸近くの共同墓地は津波の被害が甚大で、墓石などが流出しました。高台に整備された大平山霊園に多くの方はお墓を移しましたが、一部の墓石は手つかずのままになっていました。町では国の交付金などを活用し、先人の丘を整備。

丘の部分は直径が40メートル、高さがおよそ5メートルで、流された墓石等が埋められ覆土されています。

7000平米を越える敷地内には、請戸地区内の苕野(くさの)神社などにあった様々な石碑も並べられています。まさに先人たちが残していった請戸の歴史が、石碑の文言などから少し感じられます。


完成式には請戸北行政区の鈴木市夫区長も出席し「182名もの犠牲者が出た。すぐにでも復元したかったが、生活で精一杯だったので先人の皆様への想いが遅れ本当に申し訳なかった」「念願の完成式を迎え、町に感謝する」などと述べ「この地が先人を偲びつつ、心安らぐ場となることを確信している」「請戸地区の人々の語らいの場となってほしい」など期待を語りました。


敷地内に新しく建立された請戸史碑には地域の歴史や大震災の被害、震災後の出初式についてなどの文章が彫られていますが、裏には震災前の平成23年2月22日に撮影された請戸地区の航空写真が彫られています。
碑文とともに、足を運んだ際にはぜひご覧頂きたく思います。


地区内に植樹された防災林も少しずつ成長して来ました。これからの時期、青々とした若葉が茂るのかと思うと、景色の変化も楽しみです。


これまでの請戸地区のレポート

「令和3年8月、請戸」2021年8月20日投稿

「整備が進む復興祈念公園」2021年1月28日投稿

「浪江町沿岸部のいま①」2020年10月12日投稿

「浪江町沿岸部のいま②」2020年10月12日投稿