なみえの今

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幾世橋集合住宅で「かんたんケーキ作り&お茶会」が開催されました

2024年3月15日

幾世橋集合住宅の住民有志の方々によって結成された「エンジョイ幾世橋集合!」による「春のかんたんケーキ作り&お茶会」が3月10日(日)に開催されました。今回はその様子を地域づくり支援専門員の加納がお伝えします。

幾世橋集合住宅では、2021年7月から当事業で企画した住宅共用部の清掃と住民同士の交流を目的とした「クリーン作戦」を実施してきました。清掃活動を重ねていきながら住民同士のつながりも増していき、2023年10月28日にはバーベキューを通じた懇親会を皆さんで開催しました。そのときに参加された方の感想などを参考に、今後どういった企画を進めていくのがよいかについて、クリーン作戦のあとの交流会でも話し合われる様子がありました。

 ▲清掃活動や交流会を重ねることで住民同士のつながりがより強くなっていきました▼
 (※写真はいずれも以前に実施したクリーン作戦と交流会の様子)

皆さんで協力してそれぞれに担当などを決め、当日へ向けた綿密な準備が進められていきました。チラシも自らで作成し、住宅団地をはじめ近隣への周知活動も手分けしておこないました。

そしていよいよ当日。「ケーキ作り&お茶会」が11時に開始となりそれと同時に早速参加者が訪れました。入口では感染対策として手指消毒をしっかりおこないケーキ作りに取りかかります。

ケーキはスポンジ部分にクリームをのせたものを会の皆さんがあらかじめ用意し、その上に思い思いにお好きなフルーツをトッピングしていきます。

 ▲お母さんたちが作ったホールケーキを子どもたちが切り分ける様子▼

ケーキのほかに皆さんで炊いた混ぜご飯のおにぎりや野菜たっぷりの豚汁も振る舞われました。

コーヒーは豆から挽いてドリップをおこなう本格的なもの。一緒に協力をしながら時間をかけて淹れたコーヒーは深みがあり、とても美味しいと皆さんからも大好評でした。

 ▲おかわりする方も多かったこだわりの1杯は丁寧に豆から挽いた本格的ドリップコーヒー▼

会場には手先が器用な住民の方が手作りで制作した作品の展示もおこなわれました。この展示については準備のために話し合いをおこなった際に、作品についての話題になり『せっかくだから今度の会で展示してみたらよいのでは』という提案を受けて実現したものです。

また、参加してくれた子どもたちにはプレゼントも配られました。早速袋を開けて中身を確認。みんなとても喜んでいました。

大盛況のうちに会は終了。事前申し込みをおこなった方以外にも参加される方が多く『楽しい会にしたい』という住民の皆さんの想いが伝わったのだと感じました。

参加された皆さんからは『ケーキづくりが楽しかった』『手作りのおにぎりや豚汁が本当に美味しかった』といった声や『幾世橋集合住宅の方とこんなに楽しく交流したり話すことができてよかった』という感想が聞かれました。エンジョイ幾世橋集合!の方々も『多くの方に楽しんでもらうことができてよかった』と無事に終えることができ皆さんホッとされておりました。

子どもも大人もみんな終始笑顔で楽しんでいたのがとても印象に残った今回の「ケーキ作り&お茶会」。テーブルのそこかしこで会話が弾み、きっと新たな出会いも生まれたのではないでしょうか。今後も住民同士が楽しく交流できるような活動が展開されることを期待しています。

大堀の愛宕神社で改修工事竣功祭が開かれました

2024年3月12日

こんにちは、地域づくり支援専門員の今野です。

3月9日、大堀地区にある愛宕神社で愛宕神社改修工事竣功祭が開かれました。
前日には3月に入ってからのまとまった量の積雪がありましたが、住民ら50人が避難先から集い修復を祝いました。

▲社殿を前に皆さんで記念撮影


神社は東日本大震災の地震で建屋全体が被災し、特に本殿の奥や鳥居の崩壊などの被害が大きく、また石碑や石畳、石灯籠なども被害を受けたそうです。半谷秀辰前大堀区長の時に再建委員会を立ち上げ、修復を進め2年ほど前に無事に竣工の運びとなっていました。しかし当時の大堀は全域が帰還困難区域であったことや、コロナの影響も大きかったことなどで竣功式典の開催を見送っていました。
昨年3月には特定復興再生拠点として大堀でも各窯元など一部で避難指示が解除されたことと、今年1月には特定帰還居住区域の認定などもあったことなどで「今年度内に竣功式典を開こう」と声があがったということでした。

玉串奉奠などの神事が一通り執り行われましたが、この日は非常に強い風が吹いていたため、住民の皆さんは境内ではなく一段下がった社務所の横で、風が当たるのを防ぎながら遠目で様子を見守っていました。

▲風を避けながら遠目に社殿での神事を見守る皆さん

続いて神楽の奉納もおこなわれました。大堀芸能保存会による神楽は、震災と原発事故も精力的に復興イベントへの参加などで披露されてきましたが、本来の地での奉納は13年ぶりとなりました。

(十日市祭で神楽を披露された様子→大堀神楽(令和元年十日市祭) )


▲風も弱まり、社殿に近づき神楽を観る皆さん


近藤公孝区長はあいさつで「愛宕さまには今日まで13年の間、我々を見守っていただいた。感謝すべく、神事を無事終えることができた。愛宕神社は我々の心の拠り所。今後もずっとお参りができるよう、決意を新たにしたい」などと述べました。また、「神楽の奉納もあって、感無量。保存会の会員は遠方から参加しており、頭の下がる思いだ」など、大堀芸能保存会へ感謝の意を述べました。

竣功祭はお昼前に終了し、続いて昼食を取りながらの住民交流会がいこいの村なみえで開かれました。

大堀から大玉村に避難している90代の方は「無事に神社が直ってとても良かった。これから維持が大変かもしれないが、大丈夫かと思う。震災と原発事故前は、初詣などで訪れていた神社だった」など、式典後に話してくださいました。

▲復興祈念碑も建立されました


各窯元などは特定復興再生拠点として避難指示が解除された大堀地区ですが、特定帰還居住区域の避難指示解除に向けた除染など本格的な復旧・復興はまだまだこれからです。かつては盆踊りも愛宕神社を会場に開かれていたということで、いつかそのような日が訪れることを祈りたいと思います。


社殿の前で13年ぶりの安波祭

2024年3月5日

こんにちは、地域づくり支援専門員の東です。

今回は、請戸地区で300年以上続いている「安波祭」についてレポートします。

東日本大震災の大津波で流失し、再建された請戸地区の苕野(くさの)神社の社殿が2月18日、皆さんの前にお披露目されました。13年ぶりに再建された社殿の前で竣功式とともに伝統行事「安波祭」が催されました。

例年、安波祭の日は寒さの厳しい印象がありましたが、今年は最高気温が18度を超え春の陽気を感じる一日で、まるで「あんば様」も喜んでいるようでした。

▲神社には氏子や元住民ら約300人が集った

安波祭は豊漁や豊作、海上安全を願う伝統行事で、江戸時代からの歴史があると言われています。避難指示が一部で解除された2018年から社殿跡地の境内で祭りは続けられてきました。

「請戸に帰れなくても、請戸に人々が生きた証しを後世に残したい」との思いで、氏子ら地元関係者が再建委員会を設立し、昨夏から新社殿の建設が進められ、今年の1月末に完成しました。

【過去の安波祭のブログ】
「こちら」をクリックすると、各ブログにアクセスできます。

2019年の様子はこちらをクリック
2020年の様子はこちらをクリック
2021年の様子はこちらをクリック
2022年の様子はこちらをクリック
2023年の様子はこちらをクリック

境内には氏子や元住民ら約300人が集まり、神社を見渡すことができる近くの堤防からも多くの方が見守るなか、神事が執り行われました。

▲玉串奉奠(請戸芸能保存会・佐々木会長)
▲氏子総代長・五十嵐さんの挨拶

その後は、再建された社殿の中では「雅楽」「浦安の舞」、そして境内では「神楽」「田植踊」が奉納されました。多くの人々がスマートフォンやカメラを構えて写真や映像に収めていました。

▲請戸の神楽
▲請戸の田植え踊り

そして最後に、神主が柄杓と手桶を使って汲んだ潮水を、請戸浜の砂で作った穴の中へと注ぎ込み、泡の濁り具合を見て1年の吉凶を占われます。

氏子総代長の五十嵐さんより「今年1年、豊漁・豊作!」と占いの結果が発表され、安波祭は締めくくられました。

▲潮水神事

氏子総代長の五十嵐光雄さんは「私も田植え踊りと神楽の両方を経験してきた。脈々と受け継がれ、こうして新たな社殿の前で奉納される様子を見れて感慨深かった」「一時は反対の声もあったが、ようやくここまで来ることができた。 苕野神社は震災で散り散りになった請戸の人々の心をつなぐ場になってほしい」と話されていました。

請戸は一部を除いて災害危険区域に指定され、人は住めなくなってしまいましたが、神社が再建されたことで少しでも地域の方々の心の拠り所となり、再会のきっかけとなればと思います。

▲完成した神社

「マイ避難推進講習会」を開催しました

2024年3月2日

みなさんこんにちは、地域づくり支援専門員の加納です。

今回は2月10日に苅野と幾世橋の防災コミュニティセンターで開催した「マイ避難推進講習会」の様子をお伝えいいたします。

今回私どもが主催した「マイ避難推進講習会」は福島県危機管理課事業としておこなわれているものです。内容は福島県が配置した「マイ避難推進員」である講師1名を派遣し、災害への備えについて話し合いながら、下の写真にあります「マイ避難シート」を作成します。作成にあたっては講師の方による丁寧な説明や指導が受けられます。

そもそも「マイ避難」って何? と思われた方も多いはず。

マイ避難とは、日ごろから自分に合った適切な避難行動について考え、そして備えること。

台風の接近や大雨などによる災害の発生に備え、「いつ」「誰が」「何をするのか」について整理をすることで、いざというときに慌てずに自分や家族が避難行動を取ることができます。そのために「マイ避難シート」を作成し、まず第一に自分や家族など身近なひとのいのちを守る。いわば「自助」について考える講習会といえるかもしれません。

講師を務めてくださったのは防災士の資格を持つ「マイ避難推進員」の川島博充さん。豊富な知識を駆使し、これまで各地で起こった災害事例などをもとに講習が進んでいきます。1月1日に発生した能登半島地震のこともあり、皆さん真剣に川島さんの説明に耳を傾けていました。途中に防災クイズの出題などもあり、楽しみながら学ぶことができます。

苅野、幾世橋の講習会にはそれぞれ約20名の方が参加されました。地震や津波に加えて、最近は何十年に一度というような記録的な大雨、線状降水帯の発生なども多く耳にするようになっています。この講習会を通じて皆さんの災害への備えに対する関心の高さを改めて感じました。

この「マイ避難推進講習会」は町内どこでも講師を派遣して開催することができます。そこで、まずは町内にある防災コミュニティセンターを会場に当事業で開催し、住民の方々それぞれの防災意識を高める「自助」について考えながら、それを地域の自主防災などコミュニティ内における「共助」の部分につなげていくことができればと考え企画をしました。

90分の講習は盛りだくさんの内容で、最後はハザードマップなどを参考にしながら実際に「マイ避難シート」の作成にとりかかります。

質疑応答ではそれぞれに不安に思うことなどが質問され『【(警戒レベル5/緊急安全確保)命を守る行動を】とあるが抽象的なのでもっと具体的にどうするのかを示したほうがよいのではないか』といった意見や『高齢者等についての避難とあったが、この段階で福祉避難所へ対象者だけで避難しなければならないのか』に加えて『そもそも浪江にある福祉避難所というのはいったいどこにあるのか』といった質問など数多く寄せられました。

講習会後に川島さんからお話をうかがった際に『やはり震災を経験されていることもあり皆さん防災に関して意識が高いと感じました。これだけ多くの質問があったのは初めてです』と驚かれていたのが印象的でした。

この「ふくしまマイ避難ノート」というものを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。こちらにも今回作成した「マイ避難シート」が掲載されています。また福島県のホームページ上でも「マイ避難シート」を作成することができますのでぜひチェックしてみてください。
ご参加いただいた皆さんのアンケートには『今回の講習会をきっかけにこれまで災害への備えが不充分だったのでこれからはきちんとしたいと思った』『災害を常に自分事として考えるためにまた参加したい』といったことに加え『講師の方の説明がとても解りやすかった』といった感想もたくさんいただきました。
今後、浪江と大堀の防災コミュニティセンターでも「マイ避難推進講習会」を開催する予定をしており、さらに地域の共助につながるような防災講和などもおこなっていければと考えております。日程などが決まりましたらお知らせいたしますので、皆さんぜひご参加ください。

幾世橋地区 年末神社清掃について(令和5年度)

2024年1月9日

今回は12月24日におこなわれた幾世橋地区にある神社の清掃活動について、地域づくり支援専門員の加納がお伝えいたします。

クリスマスイブということで本来であれば寒さも厳しい時季なのですが、この日は好天にも恵まれ冷え込みもそこまでではなく気持ちのよいの朝を迎えられました。そんななか、幾世橋地区にある『初発神社』には20名ほどの皆さんが集まっています。

朝9:30集合だったのですが、皆さん早くから来られていたようで時間前にはすでに多くの方がいらっしゃいました。皆さんそれぞれに話が弾んでおり、楽しそうな光景が広がっています。

幾世橋行政区の永田行直区長によるあいさつならびに本日の予定についての確認がおこなわれたあと清掃活動に入ります。今回は神社清掃班と倒れてしまった木を移動する作業の班に分かれることになりました。神社清掃について同行ならびにお手伝いをさせていただきました。

 ▲まずは初発神社境内の清掃から。普段からきれいに整備されている様子がうかがえます▼

初発神社の清掃を終えて皆さん車で次の『山津見神社』へと向かいます。わたしははじめて伺うため道も分からず皆さんの車列の後ろをついていったのですが、到着した場所には大きな木がたくさん広がっておりました。その林のなかに神社を発見。

こちらは木々が林立していることから、参道や近くの道は木くずや落ち葉で埋め尽くされていました。それを竹ぼうきで手際よく取り除きます。きれいになると本当に気持ちがよいものです。

 ▲道の上の枯れ葉や木くずを除去すると見違えるようにきれいになりました▼

最後となる3カ所目は高台の上にある『八幡神社』です。

手分けして清掃をおこなうことであっという間に整備されていきました。最後に石段に残った枯れ葉などをきれいにしながら高台を下りていき、清掃活動が終了。

再度初発神社へ戻り、最後は輪になって打ち合わせがおこなわれました。その際に初発神社の田村宮司より、神社のお祭りに合わせて竣工祭を開催したいということも含め「また震災前のようにいろいろと活動をしていきたいと思いますのでよろしくお願いします」とお話しがありました。さらに永田区長より年明け以降についての連絡事項が伝えられこの日は解散となりました。

地域の方々の地道な清掃活動により、神社を含めた町の景観が保たれているのだと感じます。