なみえの今

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“防災意識向上”への取り組み「らいふく自治会防災訓練」

2024年9月12日

こんにちは、地域づくり支援専門員の今野竹雄です。

今回は9月7日(土)浪江町幾世橋地区「幾世橋住宅団地集会所」にて行われた、幾世橋住宅団地住民の皆様による自治会「らいふく自治会」防災訓練の模様をレポートさせて頂きます。

“秋の防災に対する講義を行う消防隊員”

浪江も9月に入り、夏の暑さも徐々に落ち着いてきたこの頃。

消防隊員は講義にて、

・暑さ対策などが疎かになるこの時期、夏よりも熱中症による救急の出動が増える

ことなどを議題に挙げ、

「改めて熱中症に対する意識をして欲しい」と住民に呼びかけを行いました。

また、

気温が落ちたことでエアコンの利用を控えたり、厚着のまま過ごしてしまうことで、

 真夏の時期よりも熱中症にかかるリスクが増える

・秋口もしっかり水分と塩分補給をし、暑さ対策を忘れない

など、一つ一つ具体的な行動を説明。参加者の皆様は消防隊員の話に熱心に耳を傾けていました。

“AEDの操作と説明を行う消防隊員”

次に消防隊員から「AEDの使い方と操作の説明」が行われ、

実際の操作方法や音声の確認、電子パッドの貼り付け方法や注意点などを説明。

・AEDは操作がわからなくても、音声で操作方法の指示があり”誰でも安心して使用が可能”なこと

・電子パッドは”心臓を挟む”ように意識して貼り付けを行うこと

・その際、”可能な限り水分を拭き取る”こと

・電流放電時は”決して患者の体に触れない”こと

など、いくつか重要な点を説明。その他にも実際の実例を交え、

“プールなどでの事故の際、人を完全に水のかからないところまで持ち上げることができない場合でも、

 実際には胸の部分にだけ電流が流れる設計であり、無理なく安心して使用できること

”使い方がわからずとも、隊員が現場に到着するまでにAEDを探してあるだけでも生存率が大きく上がる

など、日々一刻を争う人命救助に従事する隊員達の熱意ある講義を受けた住民の皆様。

防災に対する意識向上と促進に繋がる大変素晴らしい時間となりました。

“実際の消火器を使った消火訓練とその模様

次に水消火器を使った消火訓練。消防隊員から操作と説明が行われ、

・消火器には”数字と絵でわかり易く使用方法が書かれており”、まずはそれを確認すること

・火には絶対に近づかず、落ち着いてピンを抜き速やかに消火にあたること

・消火器のホースは圧力で大変暴れ易く、消火の際はしっかりと先端を握り操作をおこなうこと

などの重要な点を説明し、その他にも利用後の処分や方法などについても説明があり、

・少量でも利用した消火器は”廃消火器”となり適切な処分が必要

・消火器には”使用期限”があり、未使用でも”おおよそ10年”(住宅用消火器は5年)で交換が必要

・消防職員を装い”消火器を買取る”など詐欺業者も存在し、消防署に相談し適切な案内を受けること

など、高齢者も多く住む浪江町を狙った詐欺業者に関する注意や呼びかけも行いました。

・統括(まとめ)

実際に火災の現場を目の前に、落ち着いて消火器を操作できる人は少ないと思います。

「消火器の操作を忘れてしまっている」なんて人も、実は沢山いらっしゃるのではないでしょうか?

今後も“防災意識向上への取り組み”についても積極的に発信と活動支援を続けていければと思います。

地域づくり支援専門員 今野

14年越しの”笛太鼓と祭囃子”「つしま夏まつり」

2024年9月2日

こんにちは、地域づくり支援専門員の今野竹雄です。

今回は8月17日(土)に浪江町津島地区「つしま活性化センター」にて開催されたイベント

「つしま夏まつり」の模様をレポートさせて頂きます。

快晴の青空の下、開催となった「つしま夏まつり」

2024年8月現在も帰還者は僅か20人程に留まる津島地区。

そこに住む津島住宅団地の任意団体や元住民らが中心となり、震災以降、実に14年振りの”夏まつり”開催に沢山の町民が集まりました。

まちづくりなみえも活動を後方支援「つしま会」”お茶飲み交流コーナー”

夏まつりらしい縁日でにぎわう会場

出店コーナー「書店”コウド舎」では読書を楽しむ住民の姿も

また会場では、福島県を中心に活動するミュージシャンによるステージイベントが開催。

地元アーティストが音楽で会場に華を添えました。

新たにペイントが施され生まれ変わった「津島小学校のピアノ」も使用された

そして今回のイベントの目玉とも呼べる「南津島郷土芸術保存会」による「津島の盆踊り」が披露され、保存会メンバーによる熱い演奏に会場に集まった皆様は立ち上がり輪を作り踊りを楽しむ姿が見られました。

約30分にも及んだ盆踊り。会場全体が一つになり最後は盛大な拍手が沸き起こった

・総括(まとめ)

この記事を書いている私自身も津島地区の出身であり、私が子供の頃の津島といえば毎週のようにどこかで盆踊りが開催されるほど津島の夏というのは大変賑やかなものであったことを思うと、当時と変わらぬ”笛太鼓と祭囃子”には大変胸が熱くなる想いでした。

今年7月31日には津島駐在所が常駐での業務を再開。

少しづつ暮らしの息吹が戻りつつある津島。

これからも町民のコミュニティー再生を後押しすべく、私達まちづくりなみえはこれからも支援を続けて参ります。

地域づくり支援専門員 今野

津島の道沿いをコスモスの花畑に

2024年6月5日

こんにちは、地域づくり支援専門員の今野です。

昨年、つしま活性化センター道路沿いを中心にイルミネーション設置の活動に取り組んだ、津島住宅団地に住む有志の皆さんによる任意団体『つしま会』が、今年度は1年を通して様々な活動に取り組むことになりました。

▲毎月のお茶飲み交流会も、多い時の参加数は15名ほど


顔を合わせる機会が少しずつ増えることで、人と人の接点が生まれ「あれができればいいね」「これもみんなでやりたいね」などと、地域で取り組みたい活動が増えていきました。今年度は毎月1回、お茶飲み交流会を第4土曜日に開催していく予定となっています。
そのほかにも、地域を知る勉強会や放射能について学ぶ機会、また、芋煮会や料理教室なども検討しています。


その中で、先日から取り組み始めたのがコスモス畑です。つしま活性化センター前の農地に、復興組合や地権者の了解を得た上でコスモスの花を咲かせます。広さは合わせておよそ4,000㎡程度で、5月25日につしま会のメンバーや賛同してボランティア参加いただいた皆さんとで種まきをしました。

▲バケツに入れた種を、それぞれでまんべんなく蒔きました▼


お盆を過ぎた夏の終わりから秋にかけて、コスモスが地域に彩りを添えてくれる予定です。

引き続き、草取りなど畑の手入れをしたり、満開の時期にはお花見会などで集まりを設け、コスモス畑を通じた交流の場が創出されていくかと思います。

そして一呼吸置いたら、続いて冬からは今年もイルミネーション設置の活動に取り組んで行く予定となっております。


帰還に向けた特定帰還居住区域の除染もこれからなど、まだまだ課題だらけと言える津島ですが少しずつ、人の手で変化が生まれていくことが期待されます。

震災後2回目となる室原田植え作業

2024年5月24日

昨年の試験栽培を経て、今年も室原行政区内の水田にて震災後2回目の田植えがおこなわれました。今回はその様子を地域づくり支援専門員の加納がお伝えします。

震災後初めてとなる田植えをおこなった昨年もお子さんなどを含め30名ほどの方が参加され賑やかな様子でしたが、2年目となる今年も25名の方が集まりました。

 ▲たくさんの方が集うことで自然と皆さんの表情も笑顔に▲

田んぼを均したり、石などが詰まって流れが悪くなった水路を確保したり、皆さんそれぞれが思い思いに作業をされておりました。ひさしぶりに稼働する田植え機の様子を見守りつつ、時折、声援が飛び交うそんな温かい雰囲気に包まれながら作業が進んでいきます。

皆さんが集うことで、そこかしこで談笑される様子がとても印象的でした。
復興組合の高田秀光会長はあいさつで「そんなに時間もかからないとは思いますが・・・」と仰っていたのですが、実際には田植え機のトラブルが発生し、中断を余儀なくされる事態に。

それでも協力して部品となるピンの代わりになるものを探したり、工具などで切断したりするなど修理を試みました。不測の事態にも皆さん動じず、息の合った掛け合いに笑いが生まれるなど、とてもトラブルが起きている状態とは思えないそんな雰囲気でした。事前に修理の連絡を入れたことで、部品も到着し無事に田植え機が復活。作業が再開され、無事にすべての苗を植えることができました。

秋にはどんな光景が広がっているのか。いまからとても楽しみです。

津島地区での桜にまつわる活動・イベント

2024年5月11日

こんにちは地域づくり支援専門員の加納です。
今回は、この春に津島でおこなわれた「桜に関する活動」についてお伝えします。

まずは3月17日に絆さくらの会の皆さんによりおこなわれた「津島小学校の桜の木の手入れ」についてお知らせします。

3月17日の日曜日に「絆さくらの会」の皆さんが集まり、津島小学校のグラウンド周辺にある桜の木について、1本ずつ手入れをおこないました。大きな桜の木が何本もあり、高いところの枝打ちには高所作業車を使用しました。

今回の桜の木の手入れは、津島地区羽附出身でご自身が津島小学校の卒業生でもある末永利和さんの提案により実現しました。同校にて桜の木が整備されるのは原発事故後初めてとのことでおよそ13年ぶりとなります。

 ▲母校である津島小学校の桜の木を手入れする末永さん▲

桜の木の伝染病である「てんぐ巣病」にかかると花が咲かなくなるそうで、そのままにしておくと枝や木が衰弱し、枯れてしまうため、今回のような手入れが必要になるとのことです。手が届くところは高枝用ののこぎりで枝を伐採するのですが、自身も体験させていただきましたが、かなり大変な作業でした。大先輩から丁寧に指導いただき、てんぐ巣病にかかってしまった数本の枝を切り落とすことができました。コツは手先だけではなく身体全体を使って切ることだそうで、アドバイスを受けたあとは、スムーズに伐採できました。

末永さんは「マラソン大会の際、最後にこの桜の木をみながらゴールまでのつらい坂道を駆け上がったのが思い出です」と教えてくださいました。今回の作業を通じて、母校への想いを胸に今後も桜の木を守っていくという力強さを末永さんから感じました。

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続いて、約1カ月後の4月13日に開催された「第1回つしま芸能祭」当日の午前におこなわれた「津島さくら巡りツアー」についてレポートします。

この企画は、津島地区にある桜の名所を地元の方による案内を受けながら周るもので、20名以上の方が参加されました。約4キロの行程を歩きながら、各所にある桜の木を見ながら震災前後の当時の様子などの説明を受けられていました。

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途中、今回案内役を務められた今野秀則下津島行政区長が営んでいた松本屋旅館の前では「今回は皆さんに中の様子もご覧いただければ」と、入口の戸を開けて中を見せてくださりました。きれいに整った様子からも、いますぐに宿泊できそうな感じさえ受けました。

きれいなピンク色に彩られた桜の木の下で皆さんそろって記念写真の撮影もおこないました。すべてを見て回るには時間が足りず途中の行程を短縮することになってしまいましたが、天気も良く皆さん楽しまれながら巡ることができたのではないでしょうか。