なみえの今

令和4年4月、請戸

2022年4月8日

こんにちは、支援員の今野です。

昨年8月以来となります、請戸地区の全体的なレポートです。

最近、請戸地区を回っていて変化の大きさを感じるのは復興祈念公園の整備のための土盛り工事です。あちこちに、土や砂利などが盛られているのがわかります。

▲見晴台より双葉町方面
▲見晴台より請戸小学校方面
▲復興祈念公園の整備イメージ(施設配置計画より)


請戸漁港も新しい施設が定着してきた感じを個人的には受けています。請戸から水揚げされる新鮮な魚介類「常磐もの」が、もっと盛り上がってほしいなと思います。


請戸地区の水産加工団地には、目立つ新しい建物が二つあります。

浪江町の歴史ある柴栄水産の新工場と直売所が一昨年4月より、相馬市に本社があるサンエイ食品の工場が昨年5月から、それぞれ操業を始めています。請戸の新鮮な海産物がここで商品になっていくんだなぁと、嬉しく思いますね。


先月3月11日に完成式をおこなったのが請戸地区共同墓地跡に整備された「先人の丘」です。

▲完成式後に町長ら関係者で記念撮影


海岸近くの共同墓地は津波の被害が甚大で、墓石などが流出しました。高台に整備された大平山霊園に多くの方はお墓を移しましたが、一部の墓石は手つかずのままになっていました。町では国の交付金などを活用し、先人の丘を整備。

丘の部分は直径が40メートル、高さがおよそ5メートルで、流された墓石等が埋められ覆土されています。

7000平米を越える敷地内には、請戸地区内の苕野(くさの)神社などにあった様々な石碑も並べられています。まさに先人たちが残していった請戸の歴史が、石碑の文言などから少し感じられます。


完成式には請戸北行政区の鈴木市夫区長も出席し「182名もの犠牲者が出た。すぐにでも復元したかったが、生活で精一杯だったので先人の皆様への想いが遅れ本当に申し訳なかった」「念願の完成式を迎え、町に感謝する」などと述べ「この地が先人を偲びつつ、心安らぐ場となることを確信している」「請戸地区の人々の語らいの場となってほしい」など期待を語りました。


敷地内に新しく建立された請戸史碑には地域の歴史や大震災の被害、震災後の出初式についてなどの文章が彫られていますが、裏には震災前の平成23年2月22日に撮影された請戸地区の航空写真が彫られています。
碑文とともに、足を運んだ際にはぜひご覧頂きたく思います。


地区内に植樹された防災林も少しずつ成長して来ました。これからの時期、青々とした若葉が茂るのかと思うと、景色の変化も楽しみです。


これまでの請戸地区のレポート

「令和3年8月、請戸」2021年8月20日投稿

「整備が進む復興祈念公園」2021年1月28日投稿

「浪江町沿岸部のいま①」2020年10月12日投稿

「浪江町沿岸部のいま②」2020年10月12日投稿