なみえの今

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西台行政区、クリーン作戦と集会所

2021年11月9日

こんにちは、地域づくり支援専門員 今野です。
西台行政区では11月の恒例行事となった、クリーン作戦が今年も実施されました。

町から払い下げを受け、消防屯所を集会所として活用していく西台では梅松悟副区長いわく「集会所としては初めて今回活用する」とのことで、クリーン作戦前の打合せも室内でおこなわれました。


打合せでは限られた人数で4ルートに分かれ、手分けして地域内のゴミを拾っていくことになりました。


ゴミ拾いと同時に、行政区で手入れしている花壇もシーズンが終わったということで、片付けをしました。

小一時間ほどゴミを拾ったら再集合。ゴミの分別をして終了です。

終了後、今年は警察署の方による交通安全と防犯についての呼びかけ、役場の防災安全係より洪水ハザードマップの説明と来春に出来る防災コミュニティセンターについてのお話しなどが、室内でおこなわれました。


既に電気・水道も自由に使えることから、ポットを使い、温かいお茶もふるまわれました。

「網戸も直して綺麗になったから」「お茶飲みしたいから使いたい、という時は言ってね」と区長・副区長から皆さんに伝えられました。屯所が本格的に、西台行政区の集会所に生まれ変わったという感じを受けました。


2021年11月現在、新型コロナウイルスの感染状況はだいぶ落ち着きつつあります。まだまだ予断は許されませんが、近い将来、西台の集会所が活発に利用され、地域の皆さんがつながっていく場になってくれそうです。


昨年のクリーン作戦の様子はこちら→「西台でクリーン作戦と消防署の講話」

西台の花植え活動についてはこちら→ 「今年も花植え活動、西台」

お墓参り時の休憩所設置についてはこちら→ 「4年目のお墓参り休憩所、西台」



請戸の田植踊 特別授業

2021年11月1日

地域づくり支援専門員の引地です。

皆さん、福島県内に伝わる伝統芸能、特に請戸の田植踊をご覧になったことはありますか?

浪江町にもいくつかの田植踊がありますが、県内に伝わる田植踊の多くは浜通り北部に集中していたようです。

今回、幾世橋地区に位置するなみえ創成小学校から、隣の地区に位置する請戸(うけど)の伝統芸能・田植踊を学びたいと依頼があり、請戸芸能保存会会長 佐々木繁子さんの特別授業が開催されました。

受講するのは小学4年生の3名です。授業の様子と内容を少しだけお伝えします。

始めに踊りの映像を見てから、請戸の田植踊についてお話がスタートしました。

請戸の田植踊は請戸の海の守り神、苕野(くさの)神社へ奉納する踊りです。毎年2月の第三日曜の安波祭で奉納されます。
かつて、請戸はヤマセと言って東から吹く浜風は冷たく、作物が実らず人々は困っていたようです。そこで村人たちが神社に集まり田植踊を踊ったところ、その年は豊作となり、その後神社に奉納するようになりました。これが田植踊が始まったきっかけといわれています。

次に、安波祭当日の流れに沿ったスライドを見ていきます。



そして、震災後の田植踊と継承について話がすすみました。

震災後2012年の2月より、仮設住宅で踊りを披露するようになりました。安波祭では村まわりで各家々をまわっていたように、仮設住宅をまわり「みんなを元気づけよう」「家族と離れて暮らしているみんなに笑顔になってもらいたい」そんな想いで踊り、安波祭の日に合わせ6年間も続けたそうです。


『なんとしても田植踊を残したい』そんな想いをお話いただきました。

請戸は災害危険区域となり住むことができない地区となりました。

今までは請戸小学校の児童が踊っていましたが、今後の請戸小の児童はいません。現在は大人になった元請戸小学校のみんなが中心に踊っていますが、成長とともに踊り手も減少してしまいます。

踊りをどうやってつなげていけばいいか相当悩み、“昔は青年部が踊っていた時代もあった、時代に合わせ踊り手も変わってもいい”“年齢や請戸出身にこだわらなくてもいい”と考えるようになったそうです。

地域の大切な踊りなので、請戸の先輩方にも相談し背中を押してもらったそうです。

▲安波祭での田植踊奉納 2019年2月 請戸 苕野神社



授業の最後は踊りの体験です。

踊りで使う四つ竹を持ち、唄に合わせ少しだけ踊りを体験しました。

花笠もとっても似合っていて「もっと踊ってみたい」と感想をもらい、約2時間の授業はあっという間に終了しました。


伝統芸能というと少し敷居が高く感じるかもしれませんが、体験をしたり、その踊りの歴史や地域の背景を知ると身近に感じますね。

また、私は日々町民の皆さんと接する中で、地域の踊りや祭りをとても生き生きとお話する方が多いなと感じていました。

今回の授業で『地域への愛着』『人々のつながり』『伝統芸能』はとても深くつながっているのだなと自分自身も学びを深めることができました。

これからも次の世代へ伝えていく機会が広がっていくといいなと思っています。

震災遺構の請戸小が開館しました

2021年10月30日

こんにちは、地域づくり支援専門員の今野です。

10月24日、福島県では初の震災遺構となる浪江町立請戸小学校が開館し、記念式典が開かれました。

請戸小学校は東日本大震災の津波に襲われ、校舎2階まで浸水しましたが、校内にいた児童と教員らは速やかに高台に避難したことで、犠牲者は出ませんでした。

しかし請戸地区では154人が津波の犠牲となりました。また、災害危険区域に指定されたため、人が住めない地域となっています。

式典では吉田数博浪江町長が挨拶し「震災の記憶を後世に伝えたい。地域の方々の心の拠り所であり、来館者が災害への備えをあらためて意識する施設となってほしい」などと述べました。

新たに建築された管理棟には展示コーナーが設けられ、請戸地区の歴史や震災の状況などがパネルで展示されています。

▲請戸北行政区 鈴木市夫区長らも加わりテープカット
▲入館してすぐの管理棟 展示コーナー


校舎は1階部分は津波被災の爪痕を出来る限り当時のままの状態で保存しており、2階は4~6年生の教室に震災関連資料を展示。時系列に紹介した震災直後の動きや、請戸地区の震災前の模型、請戸の方々へのインタビュー映像などが紹介されています。

▲体育館は床が陥没してしまいました
▲2階の教室の一室では、請戸の方々のインタビュー映像などがご覧いただけます


式典では請戸芸能保存会による地域の伝統芸能「田植踊(たうえおどり)」も披露されました。

請戸は災害危険区域に指定され、住民は帰還ができず散り散りの避難生活を送らざるをえない状況ですが、保存会のメンバーは集まって練習するなど苦労を重ね、これまで絶やすことなく踊りを継承してきました。

当時請戸小学校の6年生で、これまでもずっと田植踊の担い手として尽力してきた中の一人、横山和佳奈さんが卒業生を代表し最後に挨拶しました。
「6年間、数えきれないほどの思い出があった。請戸を大事に思っているのは私だけではない。来館された方には小学校は衝撃的で悲しく観えるかもしれないが、すべてを失った私には、残ってくれたことが嬉しく、明るい気持ちになる。請戸の地域の方の顔を思い出せる場だ。請戸の人々がもう一度集まるような場所になってほしいと思う」などと小学校と地域に込めた思いを述べました。

▲請戸への想いを話す横山和佳奈さん


来館された町民の方に感想を聞くと「凄まじいとしか言いようがない。自分が住んでいた場所には津波が来なくて知ったのは大地震の翌日だった。自分が避難することで当時は精一杯だった」「ここに来てあの当時を思い出すと、涙が出てくるね」などと話してくれました。当時の在校生の中には、今回の公開で避難後初めて校舎内に入った方もいたとのことで、校内を見終え、涙を浮かべる姿もあったそうです。

式典に出席した請戸南行政区の竹村英男区長は「被災直後の痛々しい状態から、少し整理され綺麗になっていると思うが、震災を伝えるために必要な施設」と見学後に感想を話し「請戸のみんなが集まる場になってほしいと思うが、(入館以外に気軽に居れる場所があるわけでもないことから)実際には難しいと思う」などと、気軽に集まる場づくりの難しさを話しました。

震災遺構 浪江町立請戸小学校は午前9時30分から午後4時30分までの開館(※最終入館は午後4時まで)で、休館日は毎週火曜日と年末年始となっています。入館料は一般が300円、高校生が200円、小中学生が100円などとなっています。

東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故から10年半が過ぎましたが、当時の状況についてあらためて、請戸小学校で感じていただければと思います。そして今一度、災害への備えを確認してみて下さい。



子どもたちの運動会

2021年10月15日

こんにちは、地域づくり支援専門員の岸本です。

朝から雲行きが怪しく、天気が心配された10月9日。曇天ではありましたが、予定通りなみえ創成小中学校、浪江にじいろ子ども園合同運動会が開催されました。

今年で4回目の運動会。今年は新型コロナウイルス感染症対策として、町民参加は叶わなかったものの、まちづくりなみえを含めた町内で活動する団体が小中学校・子ども園と協力し準備を進めてきました。

一昨年の運動会の様子は、こちらのブログをご覧ください。→浪江の運動会

▲協力して会場設営を行いました

開会式では、運動会の定番曲である「ゴーゴーゴー(運動会の歌)」が歌われました。赤組と白組が微妙に違う旋律を受けもち、競い合うように盛り上げていく歌となっています。

子どもたちの元気に歌う姿を見て、自分の小学校の運動会を思い出してついつい口ずさんでいました。(調べてみたら、約18年前の歌ということが分かりました。)

開会式終了後は、特別種目のラジオ体操からスタートです。

子どもたちだけでなく、学校や園の関係者、協力団体も一緒に、ラジオ体操を行い身体を温めました。今年は中学生が見本をやってくれました。

今年の運動会は、児童・生徒数が増えたことで例年よりも競技種目が増え、合計14種目が行われました。

ここからは、浪江町ならではの種目をピックアップして紹介します。

まずは、チャンス走「出勤5分前~急げ!浪江のヒーロー達」です。こちらの種目は、カードが置いてある指定場所まで走り、カードを1枚取り、そこに書かれている浪江町ならではの職業の格好に着替えて、ゴールを目指します。

▲左から、漁師、花卉農家、陶芸家にお着替え中
▲MIRAIと書かれているカードを引くと、車でそのままゴールに向かえます

続いては、チャンス走「うけ丼クッキング」。「うけ丼」は、道の駅なみえのフードテラスかなでで出されているメニューですね。

こちらの種目は、カードが置いてある指定場所まで走り、カードを1枚取って、そこに書かれた指示に従い、いくらや鮭を拾ってゴールするというものです。

▲鮭を抱えた男の子が一番最初にゴールしました
▲ゴールの後ろで静かに応援するうけどんの姿も

チャンス走はその名の通り、足の速さに関係なくどの子でも公平にチャンスがある種目のことです。浪江町らしさが落とし込まれていて、見ている大人も楽しめました。

そのほか、大玉転がしや玉入れ、リレーなど定番の運動会種目もあり、白熱した戦いに大人は釘付けだったようです。

小中学生が大人に混じり、お手伝いする様子もありました。

今年度の運動会のスローガンは「協力し 全力尽くそう 最後まで」。まさに、競技で全力を出し切るだけでなく、協力して作り上げた運動会だったと思います。

なみえ創成小中学校の児童生徒数は31名。そして、浪江にじいろ子ども園の園児数は28名(2021年10月15日時点)。

子ども園では、次年度から定員数が現在の3倍にあたる90人に増やされるとのこと。

浪江町に子どもが増え、さらに賑やかな運動会になることを楽しみにしたいと思います。

らいふく自治会 消火訓練

2021年10月8日

地域づくり支援専門員の引地です。

浪江町は、空高くさわやかな日々が続いています。

ただ朝晩は涼しくなり、乾燥の季節が近づく気配を感じます。

そんな火の元に注意する時季の前に、幾世橋住宅団地らいふく自治会では消火訓練を実施しました。

2020年4月に発足したらいふく自治会ですが、コロナの影響で設立総会はもちろん、行事やイベントもほぼ開催できずにいました。今回は浪江消防署の協力のもと、屋外でかつ短時間で行えるよう消火訓練を計画し、広く住民に呼びかけ開催へ至りました。


10月2日(土)13時45分、 集会所前に住民が集まりだし、自治会役員が受付と検温を行います。

「あら!○○さんじゃない~」「久しぶりに顔見た!」こんな会話が聞こえてきました。

同じ住宅団地にいてもコロナでの自粛期間が続き、散歩などでも顔も合わせなくなっていたようです。


14時、自治会長の挨拶・消防署からの説明の後、さっそくスタートです。


火の根本をめがけてホウキで掃くように、がコツのようです。


「お先にやってみてー」「まだやってない人ぜひ!」など声をかけながら、参加者21名順番に水消火器を体験しました。

最後に消防署から「皆さん、思いのほか消火器の手順がしっかりできていて驚きました。いざという時に消火器をすぐ使えるようにすることはもちろんですが、まずは火を出さないことが大事です。これからの季節、特に注意しましょう。」と総評をいただきました。


解散後、参加者の感想を伺いました。

「消火器の使い方、何度かやったけど忘れてたわ。定期的にやらないとダメね。」

「訓練もそうだけど、皆さん久しぶりに顔を見たから嬉しかった。元気そうでよかった。」

自治会長も「やはり、晴れている日に外で集まるのはいいね。時々こういう機会つくりたいし、みんな早くマスクを取って会いたいね。」と仰っていました。

短時間ではありましたが、青空の下で学び、何よりも久しぶりに顔を合わせお喋りの時間をもてたことが、大きな収穫だったのではと思います。

らいふく自治会の皆さま、お疲れ様でした!