なみえの今

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大堀の愛宕神社で改修工事竣功祭が開かれました

2024年3月12日

こんにちは、地域づくり支援専門員の今野です。

3月9日、大堀地区にある愛宕神社で愛宕神社改修工事竣功祭が開かれました。
前日には3月に入ってからのまとまった量の積雪がありましたが、住民ら50人が避難先から集い修復を祝いました。

▲社殿を前に皆さんで記念撮影


神社は東日本大震災の地震で建屋全体が被災し、特に本殿の奥や鳥居の崩壊などの被害が大きく、また石碑や石畳、石灯籠なども被害を受けたそうです。半谷秀辰前大堀区長の時に再建委員会を立ち上げ、修復を進め2年ほど前に無事に竣工の運びとなっていました。しかし当時の大堀は全域が帰還困難区域であったことや、コロナの影響も大きかったことなどで竣功式典の開催を見送っていました。
昨年3月には特定復興再生拠点として大堀でも各窯元など一部で避難指示が解除されたことと、今年1月には特定帰還居住区域の認定などもあったことなどで「今年度内に竣功式典を開こう」と声があがったということでした。

玉串奉奠などの神事が一通り執り行われましたが、この日は非常に強い風が吹いていたため、住民の皆さんは境内ではなく一段下がった社務所の横で、風が当たるのを防ぎながら遠目で様子を見守っていました。

▲風を避けながら遠目に社殿での神事を見守る皆さん

続いて神楽の奉納もおこなわれました。大堀芸能保存会による神楽は、震災と原発事故も精力的に復興イベントへの参加などで披露されてきましたが、本来の地での奉納は13年ぶりとなりました。

(十日市祭で神楽を披露された様子→大堀神楽(令和元年十日市祭) )


▲風も弱まり、社殿に近づき神楽を観る皆さん


近藤公孝区長はあいさつで「愛宕さまには今日まで13年の間、我々を見守っていただいた。感謝すべく、神事を無事終えることができた。愛宕神社は我々の心の拠り所。今後もずっとお参りができるよう、決意を新たにしたい」などと述べました。また、「神楽の奉納もあって、感無量。保存会の会員は遠方から参加しており、頭の下がる思いだ」など、大堀芸能保存会へ感謝の意を述べました。

竣功祭はお昼前に終了し、続いて昼食を取りながらの住民交流会がいこいの村なみえで開かれました。

大堀から大玉村に避難している90代の方は「無事に神社が直ってとても良かった。これから維持が大変かもしれないが、大丈夫かと思う。震災と原発事故前は、初詣などで訪れていた神社だった」など、式典後に話してくださいました。

▲復興祈念碑も建立されました


各窯元などは特定復興再生拠点として避難指示が解除された大堀地区ですが、特定帰還居住区域の避難指示解除に向けた除染など本格的な復旧・復興はまだまだこれからです。かつては盆踊りも愛宕神社を会場に開かれていたということで、いつかそのような日が訪れることを祈りたいと思います。


幾世橋地区 年末神社清掃について(令和5年度)

2024年1月9日

今回は12月24日におこなわれた幾世橋地区にある神社の清掃活動について、地域づくり支援専門員の加納がお伝えいたします。

クリスマスイブということで本来であれば寒さも厳しい時季なのですが、この日は好天にも恵まれ冷え込みもそこまでではなく気持ちのよいの朝を迎えられました。そんななか、幾世橋地区にある『初発神社』には20名ほどの皆さんが集まっています。

朝9:30集合だったのですが、皆さん早くから来られていたようで時間前にはすでに多くの方がいらっしゃいました。皆さんそれぞれに話が弾んでおり、楽しそうな光景が広がっています。

幾世橋行政区の永田行直区長によるあいさつならびに本日の予定についての確認がおこなわれたあと清掃活動に入ります。今回は神社清掃班と倒れてしまった木を移動する作業の班に分かれることになりました。神社清掃について同行ならびにお手伝いをさせていただきました。

 ▲まずは初発神社境内の清掃から。普段からきれいに整備されている様子がうかがえます▼

初発神社の清掃を終えて皆さん車で次の『山津見神社』へと向かいます。わたしははじめて伺うため道も分からず皆さんの車列の後ろをついていったのですが、到着した場所には大きな木がたくさん広がっておりました。その林のなかに神社を発見。

こちらは木々が林立していることから、参道や近くの道は木くずや落ち葉で埋め尽くされていました。それを竹ぼうきで手際よく取り除きます。きれいになると本当に気持ちがよいものです。

 ▲道の上の枯れ葉や木くずを除去すると見違えるようにきれいになりました▼

最後となる3カ所目は高台の上にある『八幡神社』です。

手分けして清掃をおこなうことであっという間に整備されていきました。最後に石段に残った枯れ葉などをきれいにしながら高台を下りていき、清掃活動が終了。

再度初発神社へ戻り、最後は輪になって打ち合わせがおこなわれました。その際に初発神社の田村宮司より、神社のお祭りに合わせて竣工祭を開催したいということも含め「また震災前のようにいろいろと活動をしていきたいと思いますのでよろしくお願いします」とお話しがありました。さらに永田区長より年明け以降についての連絡事項が伝えられこの日は解散となりました。

地域の方々の地道な清掃活動により、神社を含めた町の景観が保たれているのだと感じます。

谷津田行政区 ~草刈り作業~

2024年1月8日

こんにちは、地域づくり支援専門員の加納です。
今回は12月10日に谷津田行政区でおこなわれた草刈り作業の様子をお伝えいたします。

浪江の冬は晴天が多いのですが、風が比較的強く空気も冷たく感じています。
しかしながら、遠方から駆けつけられた方も含め皆さん寒さを気にされる様子もなく草刈りの準備にとりかかっておりました。

皆さんそれぞれ草刈り機を入念にチェック。なかにはご自身の軽トラックに4~5台の草刈り機を持参されている方もいらっしゃいました。
そうこうしている間に続々と皆さんが到着され、気がつけば30名以上の方が谷津田集会所に集結。早朝とは思えないような熱気さえ感じられました。
皆さん集まれば自然と話も弾んでいきます。そこかしこで談笑されている様子はとても印象に残りました。

皆さんの準備もひと段落したところで、宮代信英区長よりあいさつならびに予定や注意事項についてお話しがありました。
草刈り作業は危険がともなうため「とにかくケガに気をつけて無理をしないように。必ず誰かが見えるところで作業をおこなってください」と皆さんへ呼びかけられておりました。
さらにそれぞれの班に分かれて、再度作業の進め方や注意点などの確認をします。入念に打ち合わせをおこなうことで無事に作業を終えられるように、という皆さんの意識が伝わってきます。
打ち合わせも終わりいよいよ車で作業ポイントへ向かいます。

 ▼草刈りをおこなう場所では『除草作業中』という旗が掲げられていました▼

草刈り作業ですが、皆さん手慣れた様子で次々に草を刈っていきます。刈りとられた草をまとめている方もいらっしゃいましたが、斜面のため足場が悪く本当に大変な作業だと感じました。

 ▲斜面なので体勢の維持だけでも大変ですが次々に作業をこなしていきます▼

作業の合間に皆さんにお話しを伺うと「身体を動かすのはとてもいいことで楽しい」と仰る方や「自分たちのところをきれいにすると本当に気持ちがいい」と笑顔でお伝えくださる方もいらっしゃいました。きっとこの〝休憩時間の交流〟も大切なんだと改めて感じました。

宮代区長にごあいさつをさせていただいた際に「もちろん草刈りをしてきれいに整備することも必要なんだけど、一番はとにかくみんなが集まること。それが一番大事なことだと思っている」と教えてくださりました。草刈り活動を通じて、地域の方が一緒に集まる機会をつくりたいという区長の想いが、皆さんの様子からも強く伝わってきました。

お昼過ぎには5時間超えの長丁場の作業を終えて皆さんが戻られました。皆さん本当にお元気な様子で、お疲れだとは思いますが、話が尽きないようで談笑の輪が広がっておりました。

最後に区長より「皆さんお疲れさまでした。本当はもっと早く集まりたかったのですが今年は遅くなってしまいました。来年は4月に除草剤の散布をおこない、草刈りは5月からの予定ですのでよろしくお願いします」とあいさつがあり、この日の作業は無事終了となりました。

多くの住民の方が集まる谷津田行政区の草刈り活動。今後は草刈り作業が終わったあとに交流会のようなものを開催してみたいという構想もあるそうで、皆さんがさらに楽しく集える場になるのではないでしょうか。

津島でイルミネーションの点灯が始まりました

2023年12月21日

12月2日より、津島地区のつしま活性化センター道路沿い(国道114号)を中心にイルミネーション点灯が始まりました。1月末日までの間、夕刻から夜9時まで柔らかな光が辺りを照らす予定です。

イルミネーションの取り組みに向けては、津島住宅団地に住む有志の皆さんによる任意団体『つしま会』が立ち上がり、当事業で設置に向けての具体的な段取りや浪江町の復興コミュニティ事業補助金を申請するお手伝いなどを進めてきました。

装飾のイメージを「冬だから暖かい色合いがいいよね」「文字は里山を思わせる緑色がいいかな」など役員の皆さんで話し合い、津島地区での作業に興味や関心があるボランティアの方を募って、制作と設置作業を2回に分けておこないました。

1回目は集まった15名ほどでチューブライトで文字をつくる作業です。やはり「津島」はアピールしたいよねと、『つしまの里』という文字を制作することになりました。一文字ごとに分かれたテーブルで、それぞれが担当する文字をつくりました。

2回目は30名以上が集い、屋外でイルミネーションライトの設置作業です。杭を打ってライトを這わしたり、建物の壁面にモチーフライトの取り付け、装飾品の小物の取り付けをするなど、力を合わせて作業を進めました。

1回目はお昼を兼ねた休憩、2回目は点灯式を待つまでの時間のお茶会として、それぞれお弁当や軽食を取りつつ参加者間で交流できる時間もつくりました。会長からの豚汁などの差し入れには、参加者から喜びの声も出て、作業している以上のにぎわいで楽しい時間となりました。

いよいよ点灯式となりました。津島支所の戸浪義勝支所長も出席され、お祝いとお礼の言葉をいただきました。
つしま会の会長からは「津島住宅団地の住民を中心に、参加したみんなの力で津島に明るい光がともりました。感動しています。センター前を行き来する方にも津島が明るくなったと感じてほしいと思っています」と感謝の言葉が述べられました。

年末から年明けの時期は、日本全国様々な場所でイルミネーションの景色が観られると思います。津島では初めての取り組みとなり、規模はとても小さいものかもしれません。しかし、特定復興再生拠点の避難指示解除から1年を迎える前に、地域の方が中心となったこのような取り組みが進んでいった状況にはとても感動しています。


一方で、津島や他の町内の帰還困難区域でも特定復興再生拠点として今春解除された面積はごくわずかで、最初の一歩を踏み出すことすらできない地域は多く残っています。

そのようなことをしっかりと頭に置きつつ、人と人とのつながりを維持したり深めたりしていけるようどんな取り組みができるか、今後も考えながら進んでいきたいと思っています。

つしま活性化センターの前を通る際は、ぜひご覧になってみてください。

地域づくり支援専門員 今野がお伝えしました。


縮小しながらも続く、標葉神社の例大祭

2023年12月8日

こんにちは、地域づくり支援専門員の今野です。

11月12日、苅野地区にある標葉神社で昨年に引き続き例大祭が開かれました。
昨年同様、新型コロナウイルスへの配慮から、氏子総代と関係者のみで規模を縮小しての例大祭となりました。

昨年の様子はこちら⇒『標葉神社で例大祭が開かれました』

玉串奉奠などの神事から、浦安の舞や苅宿の神楽の奉納などが一通り執り行われました。

規模を縮小してとは言うものの、地域の方が大切にしている神社の行事です。
氏子総代のお一人は「標葉神社は苅野地区の神社として、思い入れは強い」と話し、「昔は神社のお祭りとは別に、地域の郷土芸能を披露する芸能大会が開かれたり、集まりの場だった」など地域で親しまれた場であった様子を話しました。「そう言えば・・・」と付け加え「苅野小学校が近いから、例えば写生大会で絵を描く対象にも神社がなった。子どもが描いた絵が町の十日市祭りに出展されるとかあったなあ」など思い出を語ってくださいました。

別の方も「昔の例大祭は出店も出たし、土俵がつくられて相撲大会があったりして盛り上がっていた」などと話していました。

苅宿の神楽は中の役割を世代交代し新たな方が務めたからでしょうか、息を切らしながらの熱演でした。そして浦安の舞も「継承の火を絶やさないよう、町外に住む子どもらにも協力してもらった」ということで様々な苦労がしのばれますが、また来年も無事に例大祭が開かれること、そして地域の方がつながる場になるよう願っています。

▲片づけを手際よく進める皆さん