なみえの今

2022年 請戸 安波祭

2022年2月24日

こんにちは、地域づくり支援専門員の今野です。

毎年、2月の第3日曜日は請戸地区の苕野(くさの)神社で海の安全や豊作・豊漁、人々の健康を願う「安波祭」が開かれる日です。震災後も町外の避難先などで継続され、2018年からは津波の被害で本殿などほとんどが流された本来の場所で、祭りが開かれてきました。

しかし新型コロナウイルスの影響で、昨年は関係者だけが集まって神事のみの開催となりました。

今年は当初、神楽や田植踊の奉納をおこなう予定で進んでいましたが、コロナの感染拡大状況から2月に入りやむを得ず「神事のみ」と決まりました。

開催の2日前には苕野神社の氏子総代長を務めている五十嵐光雄さんらが、草刈りなどをして当日に備えました。

今年は前日の夜から続いた雨も直前であがり、曇り空ではありましたが風もなく静かな神社跡地で関係者のみが参列し、海の安全などを祈りました。
関係者以外の方も数名、ちらほらと集まって来て、遠巻きに神事を眺め一緒に祈りを捧げる様子が印象的でした。
やはり請戸地区の皆さんには、とても大切にされている行事なのだなとあらためて感じました。

最後に今回特別に、請戸芸能保存会の佐々木繁子会長と踊り手2人ら合わせて3人が、田植踊の唄のみを仮社殿に向かい捧げました。

佐々木さんは「コロナ禍で子ども達が集まって踊ることができないので、唄うことだけさせてもらえないか」と氏子総代長や宮司に相談。許可を得て、唄の奉納となりました。
唄い終え佐々木さんは「一日も早いコロナの収束を願い唄った」などと話していました。

一通り神事が終わり、氏子総代長の五十嵐さんに聞くと「ずっとこの祭りは絶やしたことがない。どんな環境でもやることが大切。これで皆一年、元気に暮らしていけると思う」などと感想を述べました。

苕野神社へ向かう請戸の土地も少しずつ整備が進み、景色も変わって来ています。

コロナが収束し、来年こそは神楽や田植踊の奉納なども含んだ安波祭が開かれ、地域の人たちが集まる・つながる場になることを願います。


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