なみえの今

冬の伝統行事 裸参りについて②

2022年2月8日

こんにちは、地域づくり支援専門員の引地です。

2月に入り、あの恒例行事、裸参りを思い出す方も多いのではないでしょうか。

町の無形民俗文化財に指定されている 裸参り。残念ながら現在は休止中ですが、 1年間の無火災を祈り毎年旧暦の1月8日に行われていました。

12月の当ブログで『冬の伝統行事 裸参りについて①』として、由来や参加されていた方のエピソードをお伝えしましたが、第2弾の今回は、毎年楽しみに沿道で見ていた(水をかけていた)町の人々の声や当時の思い出などを紹介します。

▲撮影:西山 栄さま(いわき市)

まず、毎年見ていたよ!という奥さま方に聞いてみました。

「見ている側もエキサイトしたね」「終わった後のお風呂、昔は木場魚店で入ってた人もいたかな」

「神社で火おこしして待ってるのよ。街中は見ている人がいるけど途中から水かけの人が少なくなってくるよね」

「水はずっとかけられてたほうがいいらしいよ、寒いだろうと思ってかけないでいると、もっと寒いらしいよ」

話すうちにいろいろ思い出してくるようで、皆さん「そうそう!」と、めいめいにお話してくれました。

▲撮影:西山 栄さま(いわき市)


次は権現堂在住の川合さんです。

たくさんお話いただきましたので、インタビュー形式で記載します。(川合さん→川:)


川:裸参り、見る側にも準備があるんです。

まず、日が近くなったらバケツの準備。奥さま方もはりきって大きいバケツを用意するので、

金物屋さんは忙しくなりますね。当日はバケツ5~6個並べるね。

そういえば、高齢の方のバケツの水くみと運ぶお手伝いをして、お駄賃もらったな。

ーそして、いざ水をかける段階になってー

川:みんなで冷水を思いっきりかけ合うから、とばっちりを受けることも。向かいの人にかけて怒られたりね。

年々エスカレートして、来年は隣の人より大きいバケツ用意しよう!とか。

ー楽しそう!ー

川:なんか、みんな水かけながら元気になるね。あれ?あの婆ちゃんあんなに動けたんだ!とか。

ー裸参りマジックですねー

川:集中してこの人にと、かける人もいましたが、列にムラなくかけるため、やはりバケツは何個か必要なんです。

ー走る側も見る側もみんな参加の行事という感じですねー

川:浪江の特徴として、お祭りや行事を楽しむってことがありますね。

浪江は約2ヶ月に1回、祭りや行事があるからね。2月裸参りや安波祭→4月桜祭り→7月野馬追→11月十日市→1月あるけあるけ、という感じで。

ーたくさんの面白いエピソード、ありがとうございましたー

お話を聞いていると、その場の光景が浮かび、私も今まさに水かけに参加しているような気持ちになりました。

走る皆さんはもちろんですが、水をかける皆さんも毎年いろいろな物語があるようです。

2月の一番寒い時季に、町が一番熱くなる裸参り。

水しぶきの中、町民の皆さんが元気にエキサイトする!そんな光景を早く見たいな、と願っています。

▲撮影:西山 栄さま(いわき市)