2019年11月25日
今年も、後ひと月余りを残すのみとなりました。朝晩寒くなってきましたが、皆さま、いかがお過ごしですか。地域づくり支援員の佐藤です。
今回は、十日市祭の初日、11月23日に屋外ステージで披露された、大堀芸能保存会による大堀神楽を拝見させて頂きました。
当日の大堀神楽の舞は、幕舞・剣舞・鈴舞・幕舞という流れです。
なかなか練習も出来ず、ぶっつけ本番と仰っておられましたが、舞そして笛太鼓ともに流麗で感動しました。保存会の皆様が一堂に会することが出来るのは、十日市祭だけだそうです。大変貴重な場面を拝見することができました。
伝承がなかなか難しいと言われている浪江町の伝統芸能。若返りが課題だというお話をよく伺います。そんな中、大堀芸能保存会は、震災前に引継ぎを済ませたことで伝承が叶い、そして現在に至っているそうです。
また、来年の十日市祭の大堀神楽を楽しみにしています。お疲れ様でした、そして、素晴らしい神楽をご披露していただき本当に有難うございました。
2018年11月30日
こんにちは
地域づくり支援専門員の丹野です
11月17日(土)大堀小学校にて草刈りとふるさと料理教室が開かれ、
私たちも地域づくりの一環として参加させていただきました。
大堀小学校は避難指示解除区域に含まれるものの、原発事故後休校となっており、校庭には雑草が生え、荒れ放題となっていました。
そんな中、大堀地区全体で集まる機会を創出し、つながり続けるきっかけにしようと、畑川行政区 齊藤基区長をはじめとした有志の方々によって
「ふるさと大堀に集まろう!」が実現しました。
朝早くからの集合だったにもかかわらず、実に80人にも及ぶ方々が参加してくれました。
町外からこのイベントを楽しみに来てくれた人も多く、ところかしこで「久しぶり!元気にしてた?」など再開を喜ぶ姿もありました。
斎藤区長のご挨拶も終わり、各々が道具をもって我先にと、どんどん草刈りをしていきます。
お昼までかかる予定でしたが、参加された皆さんの頑張りにより、予定よりも早く終わりました。
草刈りの次は料理教室。今回の料理はお餅と芋煮。
お餅はみんなでついたつき立てのお餅。芋煮は料理自慢のお母さんたちから学び、みんなで作った絶品。
参加者の皆さんの話では、大堀では昔から、たくさんの人が集まるイベントでお餅がふるまわれることが多かったそうです。
昔は甘いものが少なく、あんこやきなこをたっぷり使った甘いお餅はみんなに喜ばれ、おめでたい席には欠かせない一品だったと聞きました。
草刈と料理教室の後はお楽しみの食事をしながらの交流会。
みんなでテーブルを囲み、つきたての美味しいお餅と熱々の芋煮を頂きました。
昔話にも花が咲き、「大堀小学校でこんなことをした。」
「山では山菜、川では魚を取り自然を満喫していた。」と思い出を話してくれる方もいました。
雑草が生い茂っていた校庭は見違えるほどきれいになり、小学校はかつての姿を取り戻すことができました。
参加した皆さんの感想を聞くと、
「自分の通っていた小学校をきれいにすることができて、本当に良かった。」
「また雑草が生える夏にもう一度集まろう」という声を聞くことが出来ました。
参加していただいた方々の、ふるさと浪江で何かしたい、地域のつながりを保ちたい、そんな気持ちが感じ取れるイベントだったと思います。
2018年8月2日
8月2日から、町内の国道399号、国道459号など、東京電力福島第一原発事故にともなう帰還困難区域でこれまで通行を制限していた道路が、一部で自由通行再開となりました。
各道路とも自由通行となった個所は既に除染され、通行した際の積算被ばく線量などの発表を見ても、一時的に通過する分には特に問題はないと個人的に感じました。
さっそく2日の午後に、視察してきました。
写真は自由通行再開となった
県道35号のいわき浪江線(約4.7キロ区間が自由通行となりました)
県道253号の落合浪江線(約3キロ区間が自由通行となりました))
です。
(114号線から県道35号いわき浪江線、いわき方向を臨む)
(県道35号線から、橋を越えてこれまで通行できなかった県道253号線落合浪江線へと曲がります)
国道399号で自由通行となったのは葛尾村境-国道114号間の約4.2キロ、国道459号では川俣町境-国道399号間の約4.0キロです。
この2つの道路の自由通行化は、帰還困難区域である津島地区から中通り方面に避難している住民の方が一時帰宅や浪江町内と行き来する際、便利になるだろうとされています。
津島の大昼行政区 佐々木保彦区長は「一時帰宅するのに、ちょっと近くなった」「私が使う場合だと、ゲートが一つ分減るから良くなったよね」とアクセス面で向上した点を喜ばれました。
(114号線から中通り方面へ。この先を左に曲がり399号国道や459号国道へと自由通行できるようになりました)
(この先が自由通行で都路や二本松へとつながりました)
(399号線。葛尾、いわきへつながります)
さっそくお仕事や用事でご利用されている方も多いようで、何台かの車とすれ違いました。
間もなくお盆となります。
お墓参りでの一時帰宅で、より多くの方が利用され、浪江町をもっと身近に感じて頂ければと思います。
地域づくり支援専門員、今野がお伝えしました。
2018年7月17日
こんにちは、地域づくり支援専門員の今野です。
7月14日から15日にかけて、JR浪江駅から徒歩5分のふれあい広場を会場に『なみえ まちづくりを考える駅近キャンプ』が開かれました。
平成29年度からなみえまちづくりCAMP実行委員会が取り組み始めたもので、今年は6月に続き2回目の開催となりました。
まちづくりを考えると言っても堅苦しいものではなく、例えば今回はこの季節の旬の幸でもある「新鮮なアユをその場で焼いて食べよう」がテーマの一つ。
まずはアユを刺す竹串を作らねばということで、竹細工を教えてもらおうと、ゲストに大堀地区の畑川行政区 齊藤基区長ら3人をお迎えしました。
(ちなみに浪江町では、残念ながら原発事故後は漁や釣りが禁止されています。アユの捕獲も調査のため試験的におこなわれているのみとなっておりますので、今回は宮城県から養殖の生きたアユが運び込まれました)
東京や関東など遠方から社会人のグループ、大学生など若い方の参加も多く、素早く出来上がる竹串や箸に「すごい!」「つくってみたい!」など興味津々の様子。
ナタやナイフで竹串や竹のお箸、竹のコップを作ったり、おそるおそるアユを竹串に刺す体験まで、いろいろと3人のゲストの方に教えて頂きました。
炭火で焼いた新鮮なアユを、夏の夕暮れに野外で食べるなんて最高の体験です。
齊藤区長からは震災/原発事故前の畑川地区の様子を教えてもらいました。
写真は、高瀬川を臨む川沿いの自分の土地にある桑原信一さんの小屋で、なんと手作りなのだそうです!
室内はこんな感じで、囲炉裏があって高瀬川が眺められて、川で採ったアユをすぐ焼いたり、サンマも焼いたり。この小屋は地域の人が自然と集まれる場になっており、盛り上がって活用していたそうです。
これは紅葉の時期の高瀬川です。
「すごいーーー」
「最高じゃないですか!」
「ぜいたくーーー」
など、写真を観た方から歓声があがっていました。
浪江町内でも山間部の畑川行政区では震災以前から、将来的な地域の在り方に危機感をいだいていたそうで、「10年先は限界集落」などと話に出ていたそうです。
そんな中でも町外から畑川に移住して来た方がいたりと「もしかすると、地域を維持していけるのでは」と希望も持てたそうです。
活性化への動きも少し出ていたとのこと。
そうした矢先、東日本大震災と原発事故が起きてしまいます。
「今は皆、避難でバラバラになってしまった」と残念そうに話していました。
しかし今回、竹細工の指導やアユの塩焼きの世話などで大活躍した3人は帰りがけに
「とても楽しかった」
「浪江から(避難先に)帰りたくねぇなあ…」
などとおっしゃっていたそうです。
私たちも、今は自由に入ることのできない地域の以前の姿を感じたり知ることが出来て、とても貴重な時間でした。
畑川地区そして高瀬川渓谷と、今は帰れない場所でもそこに住民の皆さんの素晴らしい暮らしがあったことは確かです。
このブログをご覧の皆さんにはそんなことも感じて頂こうと、何かこのような形で、地域の以前の姿を発信していきたいと思っています。