なみえの今

陶芸の杜おおぼりで13年ぶりの「大せとまつり」

2023年6月9日

こんにちは、地域づくり支援専門員 今野です。

6月3日、大堀地区にある大堀相馬焼物産会館『陶芸の杜おおぼり』が東日本大震災と東京電力福島第一原発事故以来12年ぶりに再開し、13年ぶりとなる「大せとまつり」が4日までの2日間開かれました。
常設の屋内展示のほか、入口に窯元や飲食物の販売などの露店が並び、多くのお客さんが訪れていました。

大堀地区はいまも帰還困難区域となっていますが、大堀相馬焼の里の窯元および『陶芸の杜おおぼり』は特定復興再生拠点区域に含まれ、今年3月31日に避難指示が解除されています。

初日の3日は午前9時30分より開所式が開かれました。

吉田栄光町長は「ようやく大堀再生の一歩となる。伝統を絶やさず受け継いできた。大堀相馬焼は浪江町の誇りであり、後世に引き継ぐ責任がある」などとあいさつしました。

大堀相馬焼協同組合の半谷貞辰(ていしん)理事長は「12年余り休館を余儀なくされた。再生には多くの課題が山積しているが、なんとしても伝統を後世につないでいく。13年ぶりにふるさとで大せとまつりが開催できて、私たちも心から嬉しく思う」などとあいさつしました。
報道陣の取材には「特定復興再生拠点で解除となり、これだけ多くのお客さんが足を運んでくれてうれしい。お客さんとのやり取りで対話も増えるし、顔も見える。人とのつながりが深くなると思う」などと期待を述べ「大堀相馬焼が300年も続いてきた地区での会館の再開は、感慨深い」などと話していました。

前大堀区長の半谷秀辰さんに感想をうかがうと「もともとの場所で再開したというのは、安心感が生まれるね」などとおっしゃっていました。

館内には『東日本大震災と原子力災害の記録』と称した常設の展示コーナーも設けられており、地震の被害で割れた陶器や、各窯元の被害状況の写真などが展示されています。

『陶芸の杜おおぼり』は金・土・日・月曜日および祝日の午前10時から午後3時までの開館で、当面は作品及び歴史資料を展示するほか、視察等の受け入れを行う予定となっています。

大堀地区の方が立ち寄り、昔を懐かしんだりしながら再会できる場所にもなるかと思います。『陶芸の杜おおぼり』が、皆さんのつながる場になることを期待しています。