なみえの今

『みんなで語ろう!高瀬川渓谷』 開催しました

2022年12月10日

こんにちは、地域づくり支援専門員の引地です。

今年度、道の駅なみえのギャラリーにて高瀬川渓谷の写真展を開催していたことをご存知でしょうか。帰還困難区域のため立入許可をとり、地元町民にご案内いただきながら撮影した写真を、春・夏・秋と展示しました。(冬編の展示は2月中旬を予定しています。)

そして12月4日にはトークイベントも開催。その名も『みんなで語ろう!高瀬川渓谷』。

多くの町民が「浪江の宝だよ」と話す高瀬川渓谷、今は残念ながら帰還困難区域に指定されているため、日々の景色を見ることができません。

写真を観るだけではなく、皆さんの心にある思い出やエピソードを語り合う時間をもつことも大切ではと、地元町民との会話の中でアイディアが生まれ、当日は畑川行政区の4名の方を中心にトークを繰り広げました。

▲畑川行政区:(左から)桑原さん・山﨑区長
▲畑川行政区:(前方左から)佐藤さん・立って挨拶する齊藤さん

約25名の参加があり、その中には今年浪江に移住した新たな町民も数名いらっしゃいました。あいさつの後は、さっそく渓谷の動画をスクリーンに映し地点ごとに会話をひろげていきます。

まずは落合浪江線の大堀からスタート。神鳴(かんなり)、一の宮、戸山の大滝、戸神山・・など。最後は行司ヶ滝で締めくくりです。


大堀の地点では、「26㎝の鮎を釣ったよ」「鷹の巣橋は釣りの見物の人が多かったな」など、さっそく釣りの話題で盛り上がりました。やはり、釣りのエピソードは多くの方がお持ちのようです。一の宮の地点では「町外県外などのお客さんが来たら、まず一の宮に案内しました」戸神山入り口の動画になると「戸神山は何度も登ったわ!」など、登壇者だけではなく、参加の皆さんも動画を観ながら記憶がよみがえってくるようです。自身と川のエピソードをたくさん話して下さいました。

このトークイベントの告知を開始してから「自分も撮った写真があるから、探してみた」などと3名の町民の方からご連絡をいただきました。

そのなかには、現在は木々が生い茂り見に行けないと聞いていた『白糸の滝』の写真もあり、なんと50年前に撮影したとのこと!

貴重な写真に驚いたと同時に、高瀬川渓谷は半世紀前、さらに以前から町民を魅了し続けていた場所なんだと改めて感じました。

▲米田光一様撮影 昭和47年ころ

最後に、登壇者や参加者の感想として。

・ドローンで見てみたい。

・自分たちの故郷はいいところなんだと、改めて感じた。

・魚を釣り、山菜をとり生活していた。ここは自分たちの生活の場所。震災前は地元のみんなで手入れし維持していた。今はそれができず、今後の維持が問題。

・町の大切な観光資源。早く除染がすすみ、復活できるように。

今回の写真や動画で初めて高瀬川渓谷を見たという移住者の方もいます。まず“現状を知る”ということで、高瀬川渓谷を身近に感じていただけたのではと思います。


多くの町民が知っている“渓谷と共にある豊かな時間”を思い出し語り合うことで、素晴らしさを改めて実感し、更に“浪江の宝・高瀬川渓谷”の今後を考える、そんな一歩になったのではと思っています。