再建へ向け八坂神社で地鎮祭

2018年9月13日

地域づくり支援専門員の今野です。

東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から、7年半が過ぎました。

町内の「つながり」を考えていく上で、ヒントになる一つがその地に根差した古い歴史のある神社やお寺なのでは、と思います。
初詣であるとか、お札をもらいに行ったり、小さなお祭りがおこなわれたりと、そのいずれもが周辺の地域や住民と太く関わりを持つ面がある…と言えます。

 

浪江町内の神社仏閣を見渡すと、7年半たっても修復が進まず、加えて境内が荒れていたりと、その姿に心を痛めずにはいられません。

地域の氏子の皆さんや神社、お寺の方も、もちろんそのままで良いとは思っておらず、しかし避難指示が解除されるまでは何もできないという状態が続いていました。

そして避難指示が解除されたものの、どのように再建していくかなど意見をまとめていくにも集まるのが難しく、大変な状況が続いていると思います。

 

しかし、最近少しずつ動きが出てきた場所もあります。先日9月13日には樋渡牛渡地区にある八坂神社で地鎮祭が執り行われました。

 

 

3年前には再建準備委員会が立ち上がり、崩れた神社の前で神楽を奉納するなどしてきましたが、社殿を取り壊し更地になった元々の場所で、再建委員会の佐藤安男委員長や鈴木辰行樋渡牛渡行政区長、氏子の方々や工事関係者が出席し、鍬入れなどの儀式をおこないました。

 

佐藤委員長は「神社が再建すればふるさとの復興の一歩と、新たな歴史になると思う」と期待を込めて挨拶しました。

 

 

鈴木区長に想いを伺うと「住民にとって、心をつなぐ拠(よ)り所の神社。帰還するのが難しい事情があっても、町に来た時に眺めるなどして、帰りたいなあと思ってもらえれば」などと話されました。

八坂神社は来年6月に完成し、7月には例大祭も予定しているとのこと。

 

 

北幾世橋の初発神社と兼務する田村貴正禰宜(ねぎ)は「住民の皆さんが再建に向けて頑張った」と敬意を表し、また初発神社については「5月から修理が始まった。お参りやお祓いが受けられるよう、神社を直さないことには始まらない」「地域の人々の宝である神社を残さねば」など、再建が始まった両神社へ向け想いを語りました。

修理を進めている初発神社は年内には竣工する予定だそうです。

 

(修理が進む初発神社/2018年8月撮影)

 

将来的にはいくつかの神社が再建されていくでしょう。
そしていずれはお祭りや盆踊りも復活し、住民の皆さんの再会の場になるかもしれません。
可能な限り、私たち地域づくり支援員も地域の皆さんの集う場ができるよう、サポートしたく思っています。

 

地域の再生へ向けては難しさも日々感じています。しかし、住民の方が少しでも「日常を取り戻せた」と思えるような、そんなお手伝いをしていきたいと思います。

 

 

 

請戸の田植え踊りを観て

2018年7月20日

こんにちは。地域づくり支援専門員の今野です。

先日、いわき市のアクアマリンパークにて行われた「千度大祓(せんどおおばらい)」にて請戸の田植え踊りが奉納されました。その様子をお伝えします。

 

田植え踊りは東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた請戸地区に伝わり、震災後もずっと踊り継がれています。

 

これまでも千度大祓で毎年披露されてきたほか、浪江町民の避難先である仮設住宅などでも披露され、町の皆さんを励ましてきました。

今年2月には、本来田植え踊りが披露されていた苕野(くさの)神社で「安波祭(あんばまつり)」が復活し、震災後は初めての奉納となるなど、これまで以上に注目されていると言えます。

 

このところ記録的な猛暑続きで、千度大祓が開かれた7月15日は日差しも強い中、踊り手の皆さんが建物の日陰で出番を待っていました。

いよいよ踊りの披露となります。

 

 

 

かわいらしく、また、難しそうな踊りをしっかりと舞っている姿は感動的でした。

震災前から踊り続けていて、大学3年生になるという女子3人は「疲れたー」と言いながらも笑顔でした。

 

 

請戸芸能保存会の渡部忍会長は「あの震災で生き残った自分たちは”生かされている”と思っている。今回もこれまでも、いろんな人と関わることができコミュニティが築けている」などと話してくださいました。

 

本来は、請戸地区の小学生の子どもたちが中心に踊り手となる請戸の田植え踊り。

今回は福島市で日本舞踊を習っている小さい子らに応援をお願いしたそうです。
初めて踊ったという小学3年生の二人(8歳と9歳)は「楽しかった」「伊勢音頭は難しかったけど、いっぱい練習したから上手になった!」など、楽しそうに感想を話してくれました。

 

災害危険区域となり、住むことのできなくなった請戸地区。

震災から7年以上が経ち、避難先での暮らしも固まっていて、果たして今後どのように地域のつながりを保っていけるのか。大きすぎる課題があります。

そんな中で、この請戸の田植え踊りもどういった形で継承していけるのか。難しい問題だと思いますが、そっと見守りつつ、何かお手伝いできればと考えています。