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新型コロナウイルス感染症の影響により、気軽に会ったり集まったりすることが難しい状況が続いています。
一般社団法人まちづくりなみえ 町内コミュニティ再生支援事業では、町民のみなさん同士や地域が紙面を通してつながりを維持しながら、浪江町の情報を楽しんでもらえるようにと昨年7月から「なみエール」を発行しています。
5月1日に第五号を発行しました。
広報なみえ5月号の折り込みで町民の皆さんの手元に届くようになっています。
下記リンクからPDFをダウンロードし、なみエールをご覧いただけます。
(上の画像と内容は同じです)
ここをクリック
オモテ面「浪江のあれこれ」…今回は浪江町に住む若者の声をテーマに、20代の方3名にお集まりいただき、町のことや暮らしてみて感じることなどを伺っています。
手に取ってお読み頂けましたら幸いです。
“なみエール”今年度は8月、来年1月の順で引き続き発行を予定しています。
皆さんからのご感想やご意見、投稿などもお待ちしております。
こんにちは、支援員今野です。
今回は全域が帰還困難区域である津島地区の中の南津島上(みなみつしまかみ)行政区について、立ち入り許可を取り、紺野宏区長にご案内頂きながら視察しました。
まず初めに、特別通過交通制度で行き来できる国道114号沿いに位置し、沿道から建物を見ることができる南津島上集会所にご案内頂きました。
整備が進められている特定復興再生拠点区域内に位置しているということで、周辺でも除染や地ならしなどの整備が進められていました。
中通りへと通じる114号線沿いということもあり、東京電力福島第一原発事故の直後には160人から200人以上を見込まれる町民の方々が、入れ代わり立ち代わり避難してきたそうです。集会所として利用する前は、津島診療所として昭和50年代ぐらいまで使用されていたということもあって、説明を受けると確かにレントゲン室の名残りや入院用の部屋などがあり、さらには調理室も備わっていました。そのため避難されてきた方々が、ここで炊き出しをしたそうです。津島の皆さんが各家庭からお米を持ち寄ったり、大型の炊飯器を持って来たりするなどしたことで、温かいおにぎりを提供する事ができたとか。お味噌汁なども同様に調理し提供したため、とても有難がられたそうです。
調理室の前に掛けられたカレンダーは2011年3月のままでした。
倉庫も開けてもらいました。「肉まつり」として津島の方に親しまれた、屋外バーベキューで交流するイベント「いきいき夢まつり」で使用した看板や、盆踊りで使った櫓などが保管されていました。
盆踊りはすぐ東側の、元は分校のグラウンドで実施したそうです。集会所が建っている場所も、もともとは地域の運動会の会場でもあったとの話しで、この周辺は、地域の皆さんが集まって賑わい、交流を深めていた場所なんだなとしみじみ感じました。
次に紺野区長のご自宅をご案内頂きました。
古い歴史がありそうなお宅と言えばいいのでしょうか、聞くと「築200年ぐらいじゃないかなあ」とのことでびっくり。入ると土間で、本来は囲炉裏がある部屋など、配置が「津島の家の基本的な形」なのだそうです。
特筆すべきは、紺野区長宅は南津島の民俗芸能「田植踊り」の庭元であり、練習や本番で披露する畳敷きの18畳近い部屋があって「観る人はうちの中に上がり込んで鑑賞したんだ」そんなことを教えて頂きました。
家の後ろは少し高く丘のようになっており、北側の南津島上の家々を一望することができました。桜も少し残る季節、川の水が流れる音も聴こえ、なんとも言えないのどかな気持ちになり「ああ、これが津島の暮らしなんだろうなあ」と少し感じることができました。
最後に八幡(はちまん)神社を訪ねました。
こちらも114号線沿いに位置するため、通過する際に鳥居などを目にすることができます。社殿まで入り、中に保管されている子ども用のお神輿などを見せて頂きました。
秋に開かれる例大祭では三匹獅子なども披露されたり、南津島の田植踊りももちろん奉納されていたそうです
集会所は年に2回、草刈りなどし荒れないよう対策しているとのことで、八幡神社も綺麗だったことから皆さんで手入れしているのかなと感じました。
この周辺は特定復興再生拠点に含まれていることから、順調に進めば2023年3月までには避難指示も解除される予定です。
まだ、もうしばらく時間がかかることと、解除されることで問題が解決するわけではありません。津島の中でもごく一部が、困難を抱えながら、やっと一歩が踏み出せる状況だと思います。
区長はもちろん、避難されている住民の方お一人お一人が、ふるさとへの想いを持ち続けていると思います。コロナ禍もあり、避難されている皆さんのつながり・コミュニティ再生をどう支援していけるのかは難しい課題ではありますが、今後もできることを少しずつ、お手伝いしていければと思っています。
こんにちは、地域づくり支援専門員 今野です。
3月9日から3月28日まで、道の駅なみえのギャラリーコーナーで「懐かしのふるさと津島写真展」を開催しました。
町民の皆さんにご意見を伺う中で知り合った津島の皆さんに、原発事故前の懐かしい故郷の写真をご提供頂きまして、たくさん集めることができました。
その中からテーマを設け選んだ写真を、A1パネル12枚にして並べてみました。
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から10年となり「節目」などと言われていますが、全域が帰還困難区域のままで、まだまだ復興への道のりは遠い津島地区。
(忘れることは決してありませんが)忘れてはいけない、という想いと、原発事故前の豊かな里山の暮らしを写真を通して感じてもらえればと思い、制作を進めました。
以上、12枚のパネルを展示しました。
展示期間中は感想とメッセージが書き込めるノートも設置しました。
お名前などの個人情報に一部配慮した上で、書き込んで頂いた内容を紹介します。
『津島で生まれ震災まで住んでいた者です。
友人から道の駅なみえに津島の写真が展示してあると聞き、
仕事終わりに二本松市からすぐ飛んで見に来ました!
この10年間、津島の為にと思い同級生に連絡をとったり、
仕事で津島の工事が出た時は率先して自分が行くよう努力しました。
津島は何年か経ったら風景が変わったり色々なことがあるかもしれないけど、
やっぱり津島が一番です!
隠れながらこれからも支援していきたいと思います。津島のみなさん、お元気で、、、』
『津島の亡き父がいました とってもなつかしい1枚』
『写真を見て、提供した方、すごいですね。私もこれから写真を見習って思い出を作りたいと思いました』
『津島出身者です。お墓参りの帰りです。
10年たちますが、むなしい気持ちでいっぱいです。いつになったらこの気持ちが変化するのか?』
『一日も早く家に帰れますように』
以上、未だに避難生活を続けている津島の皆さんの、複雑な心境や故郷への熱い想いが伝わってきました。
少しだけかもしれませんが、ノートを通じた気持ちのやり取り、心の交流ができたのではないでしょうか。そうなってもらえればと、願いたいです。
津島地区以外の方、町外の方からと思われる応援のような書き込みもありました。
『明るく楽しく穏やかな津島での生活が取り戻せることを心から祈っています』
『大阪から来ました。皆様の幸せをいつまでもお祈りいたします』
『津島に友だちがいました。今も友だち!いつまでも…』
『祈っています』
『何も言えません 原発いらないです!!』
以前の素晴らしい地域の様子に目を向けて頂くこと、そして津島の皆さんが未だに避難生活を続けている状況、更には、これからについて一緒に考えてもらえるようになれば…というのも今回の開催の一つの目標でした。
『写真でこの地のことを知らない私も以前の姿を知ることができました。ありがとうございます』
このような感想も頂きまして、少しだけかもしれませんが、津島を伝える場になったのではないかと感じました。
引き続き地域やテーマを設けて写真展などを開催し、浪江町の各地域の魅力を伝えていくのとともに町民の皆さんがつながるきっかけづくりができればと思っています。
写真や地域づくりにつながるアイデアなど、お待ちしております。
こんにちは、地域づくり支援専門員の岸本です。
3月27日に樋渡牛渡公民館で行われた、「樋渡・牛渡の田植踊(たうえおどり)体験会」についてレポートします。
この体験会は、「田植踊」の楽しさを味わってもらおうと、樋渡・牛渡田植踊保存会が主催しました。
開催にあたり、案内チラシを作成し町の情報発信サイトに公開するなど、熱心に周知活動をされた甲斐もあり、当日は4名の方が参加されました。
参加者最年少は6歳の女の子。公民館に着くなり、早速綾竹(あやだけ)を手に取って踊りを教わっていました。
女の子のお母さんにお話を伺うと、浪江町の生まれや育ちではないものの、浪江町に伝わる「田植踊」は以前から知っており関心があったそうで、「田植踊体験会があると知り、娘に体験させてみたいと思い参加してみました」と仰っていました。
参加者の中には、踊り手であるMさんのお孫さん2人の姿もありました。
大学生のお孫さんは小学2年生の時、田植踊を実際に踊られていたそうです。体が覚えているのか、すぐに勘を取り戻している様子でした。10年ぶりとは思えない踊りを披露してくれました。
また、中学生のお孫さんも、メンバーの方に教わりながら一生懸命に踊りを覚えられている姿に、大変微笑ましく感じました。
体験会も中盤に差し掛かり、踊り手の方が衣装に着替えると、参加者の視線がくぎ付けになる場面も。
「花柄の着物が可愛い~!」
「色合いが綺麗!」
「私も衣装を着てみたい!」
など、次々と参加者から弾ける声が聞かれました。
体験会に参加されていた女性も、実際に衣装を着させてもらっていました。
体験会を通して、田植踊を教え合うことで、自然と多世代交流が生まれていると感じました。民俗芸能とはまさに、世代の枠を超えた「つながる場」だといえるのかもしれません。
踊り手の方は教える喜び、参加者は踊る楽しさをそれぞれに感じながら、良いひとときを過ごされたのではないでしょうか。
樋渡・牛渡の田植踊に興味のある方は、見学もできるそうなので、ぜひ一度練習会に足を運んでみてください。
<樋渡・牛渡の田植踊 練習会>
日程:2021年5月22日(土)
時間:10:00~
場所:樋渡牛渡公民館(福島県双葉郡浪江町大字樋渡字内城45)
また、樋渡・牛渡の田植踊について動画がYoutubeに上がっていますので、こちらもぜひご覧ください。
今後も、樋渡・牛渡の田植踊に大注目です。
皆さんこんにちは。今年度もよろしくお願いいたします。
令和3年度初回にお届けするのは、小野田行政区に鎮座する天神社です。震災により修復工事が待たれていましたが、ようやくこの4月、工事が完了しました。
宮大工さんから、造りが独特ゆえ、再建ではなく修復を勧められたと伺いました。
昨年10月より修復工事が開始され約半年、経過を記録していましたのでぜひご覧ください。
実は、天神社の修復工事期間中の2月下旬から、学問の神様・天満宮が見守り続けてきた大堀小学校、幼稚園の解体作業が始まりました。大堀地区における、震災10年目における大きな出来事だと感じました。
そして令和3年4月、美しい社殿の姿を拝むことができました。
またこの場所が、嘗ての様にお花見、盆踊りで賑わう日が来るのを楽しみにしています。