なみえの今

2023年 請戸 安波祭

2023年2月28日

こんにちは、地域づくり支援専門員 今野です。今回は今野と引地の2名でお伝えします。

2月19日(日)、請戸地区の苕野(くさの)神社で安波祭が開かれました。
新型コロナウイルスの影響で昨年、一昨年と規模を縮小し関係者で神事のみを執り行う形で続けてきましたが、今年は雅楽・神楽・田植踊が3年ぶりに奉納されました。

盛り土で固められ造成中となっている神社の再建場所の奥、津波でほとんどが流された本来の場所で祭りが開かれるのも、今年が最後となります。
雨が危ぶまれましたがほぼ曇り空で済んだこの日、会場には請戸の方や安波祭を楽しみにしていた方々が大勢集まり、神事や神楽、田植踊の奉納などが執り行われました。

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苕野神社の氏子総代長を務めている五十嵐光雄さんは終了後に一言、
「今日まで紆余曲折があったが、漁師らから『海で働く人間にとって苕野神社が励みになる』と言われた。来年は立派な苕野神社が建立される。安波祭は続くのでよろしくお願いします」

などと想いを述べました。



地域づくり支援専門員の引地です。ここからは田植踊の様子をお伝えします。

今回新たに4歳と6歳の踊り手が加わり、練習の成果を発揮していました。


震災前は神社での奉納だけではなく『村まわり』として請戸地区内の家々をまわり、踊りを披露していた請戸の田植踊。

そして今年は「少しでも前の姿に戻そう」と以前のように村まわりが再開されたのです。

神社奉納の後に、請戸のかつての商店街があった場所、新たな災害公営住宅の請戸住宅団地、幾世橋住宅団地の3か所をまわりました。

▲請戸の大黒屋さん近辺
▲幾世橋住宅団地集会所前

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請戸住宅団地と幾世橋住宅団地には、もともと請戸に住んでいた方も多くいらっしゃいます。 住民の皆さんには自治会長を通し事前にお知らせしており、踊り手の到着に合わせ皆さんが集まりだしました。

「大きくなったことー!」「久しぶりだなー」という声が響き、請戸の子どもたちの成長した姿に笑顔になる人、踊り手の父兄の皆さんとの再会に喜ぶ人、そんな場面がとても印象的でした。

▲請戸住宅団地



そして踊りに欠かせない唄やお囃子。今回は今まで踊り手だった18歳の女の子が初めて歌い手に加わりました。 長年唄っていたお二人と共に神社で唄い、本当に緊張したと思いますが立派に唄いきりました。

3人で唄う姿、そして背中から支える手。リズムや節をとるだけではなく、しっかりとした愛情が伝わってくる手。
これこそが継承への姿なのだと感じました。




神楽奉納では「今回で笛の吹き納めだ」と話し、後進に託すという前請戸芸能保存会会長の姿もありました。


長い歴史で継承を繰り返し、続いている地域の祭りや民俗芸能。その長い歴史のなかでも東日本大震災という今も続く大きな困難のなか、「つなぐ」ことに尽力されている関係者の皆さまの姿をしっかりと胸に刻みたいと、この請戸の安波祭を通し実感しました。

いよいよ来年は再建される新しい苕野神社での安波祭。盛大に執り行われることでしょう。
踊り手の成長した姿もとても楽しみです。


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