なみえの今

安波祭が開催されました

2019年2月26日

こんにちは

地域づくり支援員 丹野です。
2月17日に請戸の安波祭(あんばさい)が開催されました。
安波祭は豊漁と海上の安全をいのる請戸地区の苕野(くさの)神社で行われている伝統的なお祭りです。

神社は津波で流され、まだ再建はされていませんが、昨年2018年には神社跡地でお祭りを再開。今回は震災以降に請戸で行われた2回目のお祭りです。
今年奉納されたのは神楽と田植え踊り、神楽では獅子頭を被り、舞を披露していきます。

躍動感あふれる動きをカメラに収めようと、みなさんいっせいにシャッターを切っています。
踊りの途中には獅子が観客の皆さんに噛み付き、周囲からは笑い声と歓声が起き、とても印象的でした。

神楽に続いて奉納されたのは、田植え踊り。
まず最初に目を引いたのが、明るく華やかな衣装。天気も良く、太陽がさしていたこの日には良く映えて、とても美しかったです。

大学生から、小さい子は幼稚園まで歳の差がある中、調子を合わせ、リズムよく、歌に合わせ一生懸命に踊ります。「まだ小さいのに、あんなにきれいに踊ってすごいな…」そう私が一緒に見ていた方とお話をしていると「一番小さい子だってもう1年近くも練習してるんだよ」と教えてもらい、びっくりしました。

震災前、踊り子は小学生で構成されていましたが、震災後、請戸の皆さんはバラバラに避難し、田植え踊りを引き継いでいくことが難しくなり、震災当時の子供たちが大学生になる今でも踊り続けている、そんな経緯があります。

お祭りの後、この行事を支えてきた芸能保存会の方とお話しする機会があり、「今日まで安心して眠ることが出来なかったよ」とほっとした表情でおっしゃいました。

たくさんの人がこのお祭りに特別な思いを抱き、伝え、残そうとしており、伝統芸能の素晴らしさ、そして習得し伝承していく困難を少しだけ知ることもできました。

今回、安波祭に集まった皆さんは避難先から来た人も多く、大きな声で「ひさしぶり!どうしてたの!」と再会を喜ぶ姿もありました。それを見て、伝統芸能はその地域の皆さんを結びつける大切なつながりのひとつなのだと実感しました。

町民のみなさんからは伝統芸能の復活を望む声も多く聞こえてきます。伝統芸能の維持、復活のお手伝い、私たちが少しでも協力していければと思っています。