なみえの今

避難先でつながる、サークルりんどう

2018年12月7日

こんにちは、地域づくり支援専門員の今野です。

先日、本宮市で活動している手芸の会「サークルりんどう」を訪ねて来ました。

 

サークルりんどうは震災後にできたグループで、本宮市や大玉村に避難した浪江町の人で結成されました。

震災前から親しい間柄というよりは、震災後に避難先でサークルを通して親しくなった皆さんによるグループだそうです。

リーダー役を務めている佐々木光恵さんが暮らしていた津島の昼曽根地区は原発事故により帰還困難区域となってしまい、未だ避難生活を余儀なくされています。
避難先となる本宮市の借り上げ住宅では倉庫を開放し「いつでも気軽に集まれる場」としてサークルりんどうの活動を原則月に1回開いています(しかし、倉庫は集まれる場としていつでも開放しているそうです)。

 

11月の活動日となったこの日は女性会員10名のうち6人が集い、それぞれにお手玉づくりや編み物、マスコットづくりをしていました。

お喋りする内容も近況報告であったり昔のちょっとした思い出話し等々、皆さんが自由にあちらこちらでお話ししている感じでした。

 

 

「大きすぎない規模の会で、一人一人がそれぞれの作業に没頭しても構わないような自由な集まりの場」と光恵さん。「こうして集まるのを楽しみにしているの」と皆さんおっしゃってました。

浪江の十日市祭も、サークルりんどうがお店を出す目標となるイベントなので、この日も忙しそうに、でも楽しく和気あいあいとそれぞれの作業に取り組んでいました。

 

 

そして十日市祭が開催された11月24日。
サークルりんどうのブースを訪ねると、お客さんとやり取りする皆さんの姿がありました。

 

 

「手芸関係の出店はほかにも多いから、ちょっと違いを打ち出してお客さんを引き込まないと」ということで、この日はマフラーや帽子といった冬物を意識的に押し出してみたそうです。「でも今日は暖かかったから、あまり売れなかったなあー(笑)」と、それでも楽しそうに話す光恵さんです。

 

「十日市祭は作品を披露したり売ったりする楽しみもあるけど、浪江町の人に会えるのも大きな楽しみ」「知っている人に会えるのが嬉しい」と皆さん話していました。

 

 

手芸品やイベント出店などを通した、ちょっとしたやり取りで気を張らずにつながれる、そんな場が求められているのだと思います。

避難を強いられながらも、このように町民と町民がつながっていく場をつくっている「サークルりんどう」。

私たちも、こうしたつながりがずっと続いて、強く太いものになっていくよう応援できればと思っています。

 

なお、サークルりんどうでは「会に混ざりたい」という人がいたらいつでも歓迎しているということでした。

興味がある方は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。