なみえの今

今年の田植え<苅宿編>

2021年5月21日

こんにちは、地域づくり支援専門員今野です。
大型連休も明け、新緑が一段とまぶしい季節となった浪江町では、田植えに取り組む農家の方々を多く見かけました。
いくつかの地域を見学させていただきましたので、ブログでご紹介したいと思います。
今回は苅宿行政区の農家の皆さんのグループ”苅宿ふれあいファーム”による苅宿編です。

5月初日、種蒔き作業の2回目がおこなわれました。
種蒔きは機械を中心に会員の皆さんで作業を分担し、流れ作業で進めます。

苗箱に土を入れ種を蒔いた後は、苗箱をビニールハウスに移動し並べる作業です。
「最近どうしてる?」「スマートウォッチで健康管理できるの知ってっかあ?」など雑談も交わしながら、メンバーが息を合わせ作業を進めて行きます。

農作業はどれもかがみながらの作業になるので「腰痛になるかなあ~」と体調も心配しながら進めます。

コロナ禍で地域行事や集まり事もなかなかできませんが、農作物は待ってはくれません。
野外での作業が中心となることや、マスク着用等の感染対策もしながら、会員の皆さんが町内だけではなく避難先からも集って作業を進めていました。

▲休憩時は距離も取りながら、輪になって打合せ

苗が育てばいよいよ田植えです。田植え機を中心に様々な作業を、それぞれの持ち場で力を合わせて進めます。

田植え機に乗る人も交代しながら、あまり慣れていない人も先輩からアドバイスを受けるなどし運転していました。

少しずつ、世代交代を図ってるようでした。

苅宿では今年は15町歩のコメづくりに取り組むとか。これは昨年の5倍となるそうです。
コメづくりを再開してから3年目。少しづつ規模を拡大はしていますが14人の会員の多くは町外で避難生活を送っています。「このメンバー数でやるには、この規模ぐらいが限界かもなあ」そんな声も聞こえてきました。
震災と原発事故から年月が経ち帰還も進みにくい中、避難先からも集うことで何とか地域の農業を守っていますが、課題は山積しています。

▲9月に完成し稼働する予定のカントリーエレベーター(乾燥調製貯蔵施設)、苅宿に建設中

しかし、お昼を一緒に取りながら、集まってする作業は楽しそうでした。
おいしいお米が秋に実るのを、楽しみにしています。