なみえの今

町道215号、自由通行に

2020年10月5日

こんにちは、地域づくり支援専門員の今野です。
今回は帰還困難区域の津島で新たに自由通行となった町道215号線(阿掛線)を視察してきました。

自由通行開始となった10月1日の午後、さっそく行ってまいりました。


自由通行に向けては「当該道路は、冬季積雪時の国道399号・県道50号の迂回路として周辺市町村を結ぶ主要道路であり、福島県全体の復旧・復興にとって重要な道路となることから、関係自治体等から制限なく通行できるよう要望が寄せられてきた」といった状況を踏まえ、政府が自治体などと協議をし、このような適用となったようです。

(原子力災害現地対策本部 原子力被災者生活支援チーム https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/kinkyu/hinanshiji/2020/200923.html


確かに道幅も狭くなく、急カーブなどもないため、積雪や荒天時などには迂回路として不安も少なく走れそうです。

南津島下行政区の古山久夫区長に聞くと「中通りに避難する人たちは一時帰宅しやすくなったと思う。葛尾村経由で入っていくほうが近いので」などと話してくださいました。



道路沿いに建つ沢先(澤先)集会所です。南津島下の中でも沢先地区は開拓地で「この建物は元々は開拓組合の資材などを置く場所だったようだ」と古山区長は話していました。地域が譲り受けた後は、平成21年に南下コミュニティーセンター*が出来るまでの間、南津島下の皆さんが集まる場となっていました。
(*南下-みなみしも-は南津島下の略称)

花植えなどの環境美化活動で沢先集会所に集まる住民の皆さんが写った原発事故前の写真を、以前拝見したことがあります。

同じく、この集会所前を神輿を担いで子ども達が進んでいく写真も以前拝見しました。にぎやかな子ども達の声が聴こえてくるような写真でした。
南津島上と南津島下の、南津島全体の神社の秋祭りとして、ちょうど今ごろ(10月)におこなわれていたそうです。
もちろん、原発事故前まで開かれていました。

今回自由通行となったのは町道215号線(阿掛線)では約3.1キロ(つながる葛尾村側の村道204号・柏原阿掛線では約1.3キロの、合わせて5キロ弱)と、距離にすればわずかかもしれません。
しかし、本来そこには地域の人々の暮らしや、その記憶があるのだということを、通行の際には少しでも想像しながら走ってほしいな、そんな風に思いました。