なみえの今

樋渡・牛渡の田植踊

2020年10月24日

朝晩の気温が冬の到来を感じる今日この頃、皆さま、如何お過ごしですか。地域づくり支援専門員の佐藤です。

今回は、樋渡・牛渡の田植踊の練習会場へ伺って参りました。あいにく小雨混じりの天候でしたので、八坂神社隣の集会所で開催されました。この踊りを記録に残すべく、当日、本県民俗芸能研究の第一人者・懸田弘訓先生を始め、県の文化振興課の方々、映像会社の方々がいらっしゃってました。

▲ 昨年秋再建された八坂神社
▲ 懸田先生と撮影の打ち合わせ

樋渡・牛渡の復興のシンボル、心のよりどころとして、八坂神社が昨年10月に再建されました。また、今年1月、約9年振りに神楽と田植踊が境内で奉納され、多方面から披露の依頼があったそうです。しかし、残念ながら、コロナ禍の影響で全て中止になってしまいました。因みに、八坂神社のご利益の一つに、疫病除けがあります。皆さん、今年は是非、八坂神社にご参拝しては如何でしょうか。

「五穀豊穣、家内安全祈願奉る」
▲花笠が特徴的な早乙女
▲右手に扇子、左手に鈴の歳蔵

早乙女と歳蔵それぞれの衣裳をまとい、そのコントラストがとても素敵です。樋渡・牛渡の田植踊は、請戸のそれと共に、田植踊の経路と変遷を探る上で貴重な存在なのだそうです。未来永劫この伝統を絶やさず受け継いでいって頂ければと改めて感じました。

▲皆さん笑顔で楽しいひと時

浜通り地方の伝統芸能は団体数で県内の半分以上を占め、特に田植踊を受け継いでいる団体は沿岸部に密集していました。その一つが、樋渡・牛渡の田植踊です。コミュニティに根付いたその伝統は計り知れない意味があると思います。今、この伝統を継承していく重圧を感じつつも、地域の伝統芸能に関わりながら、皆で集い、練習し、笑い、お茶を飲みながらおしゃべりする、そんな昔ながらの日常を今後とも大切にしていければいいなと思いました。

*「浪江町史別巻Ⅱ 浪江町の民俗」から一部引用。